今回は、危険な頭痛の見分け方について説明していきます
医療従事者の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
はじめに
「また頭が痛い…いつもの偏頭痛かな?」と、痛みを我慢していませんか?
頭痛はありふれた症状ですが、中には命に関わる危険な頭痛が潜んでいることがあります。
特に、日本人の約4人に1人が経験すると言われる**片頭痛(偏頭痛)**は、自己判断で済ませてしまいがちです。
しかし、「いつもと違う」「急に激しく痛む」といった場合、脳の異常や重篤な病気が原因の可能性があります。
今回は、
- 偏頭痛と危険な頭痛の違い
- 危険な頭痛の原因と種類
- 頭痛を見分けるセルフチェックと予防法
をもとに、偏頭痛と危険な頭痛の違いを徹底解説し、見逃してはいけない症状や対策について詳しく説明します。
1. 偏頭痛と危険な頭痛の違い
普段の偏頭痛と、脳の異常が原因で起こる頭痛の違いを知ることが大切です。
◼ 一般的な偏頭痛の特徴
- ズキズキとした痛み(拍動性)
- 頭の片側または両側に起こる
- 光や音に敏感になる
- 暗い部屋で休むと楽になることが多い
- 吐き気や嘔吐を伴うことがある
- 前兆(オーラ)がある場合も
- 視界がチカチカする・ギザギザの光が見えるなど
偏頭痛は数時間から3日ほど続き、ストレス・ホルモンの変化・天候・睡眠不足などが引き金になることが多いです。
◼ 危険な頭痛の特徴(要注意!)
以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。
-
突然の激しい痛み(雷鳴頭痛)
- バットで殴られたような強烈な痛み
- くも膜下出血の可能性(命の危険あり)
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今まで経験したことがない強い頭痛
- 「人生最悪の頭痛」と感じる
- 脳出血・脳腫瘍の可能性
-
麻痺や意識障害を伴う
- 片方の手足が動かしにくい・ろれつが回らない
- 脳梗塞や脳出血のサイン
-
発熱や首のこわばりを伴う
- 髄膜炎の疑い(細菌感染による脳の炎症)
-
朝起きたときの頭痛が強い・時間が経つほど悪化
- 脳腫瘍の可能性
-
頭を動かすと痛みが増す
- 副鼻腔炎や高血圧性頭痛の可能性
➡ これらの症状がある場合は、自己判断せず、すぐに病院へ!
2. 危険な頭痛の原因と種類
危険な頭痛には、いくつかの重大な病気が関係しています。
◼ くも膜下出血(突然の激痛に注意!)
- 特徴:バットで殴られたような激痛が突然襲う
- 原因:脳動脈瘤(血管のコブ)が破裂
- その他の症状:意識障害・吐き気・項部硬直(首が動かしにくい)
- 発症リスク:高血圧・喫煙・家族歴がある人は要注意
- 対処法:救急車を呼ぶ(すぐに病院へ)
◼ 脳梗塞・脳出血(麻痺や意識障害に注意)
- 特徴:頭痛+手足のしびれ・ろれつが回らない・意識がもうろうとする
- 原因:血栓(血のかたまり)が脳の血管を詰まらせる
- 発症リスク:高血圧・糖尿病・肥満・喫煙
◼ 髄膜炎(発熱・首のこわばりを伴う)
- 特徴:頭痛+高熱+首が固まる
- 原因:ウイルスや細菌感染による脳の炎症
- 対処法:早期治療が必要(放置すると命に関わる)
◼ 脳腫瘍(朝の頭痛・嘔吐に注意)
- 特徴:朝にひどい頭痛があり、時間が経つほど悪化する
- その他の症状:嘔吐・視力低下・けいれん
- 原因:脳内にできた腫瘍が圧迫
3. 頭痛を見分けるセルフチェックと予防法
日常の頭痛を記録し、異常を早く発見することが大切です。
◼ 頭痛セルフチェック(危険な兆候は?)
✅ 頭痛の強さが突然変化した?
✅ いつもと違う痛み方をしている?
✅ 麻痺・しびれ・言葉が出にくいなどの症状はある?
✅ 発熱や首のこわばりを伴っている?
✅ 朝の頭痛がひどく、時間が経つほど悪化する?
➡ 1つでも当てはまる場合は、医療機関を受診!
◼ 頭痛を予防する生活習慣
- 水分をしっかり摂る(脱水が頭痛の原因になる)
- ストレス管理をする(瞑想・ヨガ・趣味の時間を確保)
- 睡眠をしっかり取る(睡眠不足は片頭痛の引き金)
- スマホ・PCの使いすぎに注意(ブルーライトが影響)
- バランスの良い食事を心がける(カフェイン・アルコールの摂取を控える)
おわりに
「いつもの頭痛だから大丈夫」と自己判断するのは非常に危険です。
頭痛には、命に関わる重大な病気が隠れていることがあります。
特に、突然の激しい頭痛や、いつもと違う頭痛がある場合は、すぐに病院へ!
普段から頭痛の記録をつけたり、生活習慣を整えたりすることで、危険な頭痛を早期に見つけることができます。
「ただの頭痛」と思わず、自分の体のサインを見逃さないようにしましょう。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
参考文献
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日本頭痛学会「頭痛の診断と治療ガイドライン」
https://www.jhsnet.net -
厚生労働省「くも膜下出血の症状と対策」
-
日本脳神経外科学会「危険な頭痛の見分け方」