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腰椎圧迫骨折の基礎中の基礎について

今回は、腰椎圧迫骨折の基礎中の基礎について説明していきます

医療従事者の立場から説明していきますので、是非最後まで読んでみて下さい!

はじめに

腰椎圧迫骨折(Lumbar Compression Fracture)は、主に加齢・骨粗鬆症による骨強度低下により発生し、高齢者の健康とQOLに深刻な影響を与えます。

特に軽微な転倒や日常動作でも発症することがあり、日本においても頻度が高く、診断・予防・治療・生活支援全体を見据えた多職種アプローチが必要です


1 原因と発症メカニズム

  • 骨粗鬆症:高齢者、とくに女性で著明に出現し、骨量減少によって微小外力でも椎体が圧潰

  • 転倒・尻もち:軽微な外傷が80%を占め、80歳以上では約40%に認められる

  • 病的骨折:骨腫瘍やがんの転移、長期ステロイド使用に伴う骨質低下も原因となる

  • 加齢性変化:椎体の弾性喪失により圧縮力に弱くなり、前方が楔状に変形しやすい

※独自見解として、姿勢習慣や歩行バランスの悪化が椎体への偏った負荷を招き、骨折リスクを高める可能性があります。


2 症状と診断の基礎

  • 急性腰背部痛:突然の立ち上がりや咳・くしゃみで疼痛が誘発され、強く鋭い痛みが特徴

  • 姿勢の変化:円背・前屈姿勢となり、身長低下やバランス不良が見られることも

  • 画像診断:X線で前方椎体高さが20%減少または4mm以上低下を確認、急性ではMRIや骨シンチで浮腫を評価

  • 骨密度測定(DEXA):骨粗鬆症診断と再発リスク評価に不可欠

独自内容として、転倒履歴や身体機能テスト(立ち上がりや歩行の乱れ)を問診・観察に取り入れることも早期発見に有用です。


3 治療の基本と選択肢

  • 保存療法:安静(数日以内)、痛み止め(NSAIDs、アセトアミノフェン)、コルセット装着、理学療法が中心コルセット:JewettやTLSOで姿勢保持と痛み改善を補助

  • 経皮的椎体形成術:椎体形成術(バルーン拡大+セメント充填)による即時痛緩和と早期活動復帰が可能。ただしセメント漏出や感染リスクに注意

  • 骨粗鬆症治療:ビスホスホネート、テリパラチド(骨形成促進薬)などを用いた骨強化と再骨折予防

独自視点:患者個々の生活背景やADL制限に応じて、保存療法と迅速な外科的介入のバランスを取ることが重要です。


4 リハビリと機能回復

  • 初期理学療法:座位/立位での体幹の伸展運動、腸腰筋・背筋群強化により円背進行や重心前方化を抑制

  • 段階的負荷トレーニング:痛みが落ち着いたら、軽負荷運動から歩行・バランス訓練へ移行し、機能回復を促す。

  • ADL訓練:日常動作(床起き上がり・歩行・トイレ等)の自立を支える訓練。心理的自信の回復にもつながる。

  • 転倒予防運動:下肢筋力とバランス能力の向上を目的とした運動を継続的に実施

独自見解:運動プランを患者の生活リズムに合わせ、継続しやすい内容とすることで再骨折リスクを下げられます。


5 予後と再発予防

  • 経過と予後:保存療法で痛みは6〜12週間で改善傾向。椎体形成術では早期改善が多く、4〜6週間で日常動作に復帰可能

  • 再骨折リスク:一度圧迫骨折を経験した患者は、さらに30%近くで再骨折リスク。手術介入では再発率が4.8%と低下

  • 長期QOL:慢性的な疼痛・身体変形・心理的抑うつに注意。包括ケアとサポートが必要

  • 生活指導の重要性:栄養・運動・骨密度定期測定を含む予防プログラムを構築し、再発予防を継続的に行うことが鍵です。

 


おわりに

腰椎圧迫骨折は、主に高齢・骨粗鬆症を背景とし、軽微な外力でも発症することが多い疾患です。

正確な診断(画像・骨密度測定)、適切な保存療法や椎体形成術、骨粗鬆症治療、そして理学療法や生活指導による再発予防が、QOL維持・機能回復に不可欠です。

独自視点として、患者の日常習慣・姿勢・体幹の使い方を見直し、継続しやすい運動プランを提供することで、再発リスクの軽減と生活の質の向上を図れます。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました


参考文献

  1. PMC. Management of Osteoporotic Vertebral Fracture: Review Update 2022. Spine, conservative vs augmentation  

  2. Bone & Joint Journal (2025). Vertebral Compression Fractures: Causes, Symptoms, Treatment & Recovery. Recovery timelines and therapeutic options

  3. Stroke‑Lab (2024). 腰椎圧迫骨折の原因・診断・予後・コルセット・リハビリテーション (リンク) 詳細な日本国内データと対策論 STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系

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