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はじめての赤ちゃん。父親になれない不安

今回は、はじめての赤ちゃん。父親になれない不安について説明していきます。

医療従事者の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!

目 次

  1. はじめに

  2. 第1章 「父親になれない気がする」その不安の正体

  3. 第2章 男性が抱えやすい“父性のギャップ”とは

  4. 第3章 父親として自信を育てる5つの実践習慣

  5. 第4章 パートナーと乗り越える“夫婦チーム育児”

  6. 第5章 赤ちゃんと“絆が生まれる瞬間”を増やす方法

  7. おわりに

  8. 参考文献


はじめに

初めて赤ちゃんが生まれる時、多くの男性が口にできずに抱える気持ちがあります。

「うまく育児できる自信がない」
「父親になれる気がしない」
「赤ちゃんとどう接したらいいのか分からない」
「自分は父親として役に立てるのだろうか…」

日本では、父親の育児不安は非常に多いにもかかわらず、文化的に“弱音を言いづらい”空気があります。

しかし海外の研究でも、初産の男性の約70%が父親不安を経験するという報告があり、これは“特別な悩み”ではなく、“自然なプロセス”です。

父親は「赤ちゃんが生まれた瞬間に父性スイッチが入る」わけではありません。

母親が妊娠期間を通して準備するのに対し、父親は赤ちゃんと関わりながら徐々に父性が育つことが分かっています。

つまり、「父親になれない不安」を持つことは、“父親になる準備がちゃんと始まっているサイン”でもあるのです。

このコンテンツでは、日本文化の背景、最新の心理学・育児研究、そしてネットに出ていない独自の視点を組み合わせ、父親としての不安を解消し、自信を育てる方法をまとめました。


第1章 「父親になれない気がする」その不安の正体

● 父親が抱える不安の代表例

  • 赤ちゃんをうまく扱えるか分からない

  • 経済的責任を強く感じる

  • パートナーを支えられるか不安

  • 自分の生活・仕事が変わる恐怖

  • “父性が育っていない自分”への戸惑い

● 本文:不安の正体は「経験不足」と「責任感」

男性が父親になるとき、多くの不安は能力不足ではなく、「経験したことがない状況」による心理的反応です。
これは脳科学的にも自然で、人は未知の役割に直面すると不安を感じやすい構造になっています。

また、日本の男性は

  • “家族を守らなければならない”

  • “弱音を吐かず働き続けるべき”
    といった古い価値観の影響を受けやすいため、不安を抱えても表に出せない傾向が強い。

しかし海外の論文では、不安の強い父親ほど、赤ちゃんが生まれた後に積極的に関わる傾向があるという興味深い報告があります。

不安は“父性が未熟”なのではなく、むしろ 父親としての成長が始まっている証拠なのです。


■ ■ 第2章 男性が抱えやすい“父性のギャップ”とは

● 父親の“父性スイッチ”が入るタイミング

  • 妻の妊娠では実感が湧きにくい

  • 赤ちゃんの表情や反応が出始めると実感が急上昇

  • 身体が小さすぎて関わり方が分からず距離が生まれやすい

  • 関わり始めると愛着ホルモンが増加

最新研究では、男性も父性ホルモン(オキシトシン)が赤ちゃんと触れ合うほど増えることが明らかになっています。

● 男性が感じやすい“ギャップ”

  • 「父親らしくなれない自分」と「周囲の理想像」とのギャップ

  • 妻はすでに“母親”になっているのに自分はまだ準備ができていない

  • 育児が思ったより感情的・予測不能で戸惑う

  • 自分が役に立てていないと思い込む

● 本文:父性は「生まれるもの」ではなく「育つもの」

父親は、赤ちゃんを抱く、あやす、話しかける、ミルクをあげる…

こういった“小さな接触”を積み重ねることで、脳の構造までも変化し、父性が育っていくことが分かっています。

つまり、最初から父親らしくなくて当たり前。

関わるほど、父親に“なっていく”職業型の役割なのです。


■ 第3章 父親として自信を育てる5つの実践習習慣

● ① “1日10分の抱っこ”を毎日する

  • 抱っこは父性ホルモンをもっとも高める

  • 赤ちゃんが泣いてもOK、「抱く時間」を優先

  • 不慣れでも問題なし、毎日続けることが大事

父親の抱っこは赤ちゃんの脳発達にも良い影響

海外研究で、父親の抱っこは赤ちゃんの安心感だけでなく、言語発達や睡眠の質の向上にも関連することが報告されています。


● ② 目的ではなく“プロセス”で関わる

  • 泣きやませることをゴールにしない

  • オムツ替えが遅くても気にしない

  • 完璧より「参加」が重要

父親の参加が多い家庭は母親のメンタル負担が3割減

父親の小さな関わりは、妻の負担軽減に直結し、夫婦仲にもプラスに働く。


● ③ 自分の不安を“事実として認める”

  • 「父親になれない気がする」と自覚することが第一歩

  • 不安は悪いものではなく“適応のプロセス”

  • 妻に共有しても負担ではなく、むしろ安心につながる

男性のメンタルケアは育児の質に影響

父親の精神的安定は、赤ちゃんの情緒発達にも影響するとされる。


● ④ 育児の“得意領域”を1つ作る

  • 沐浴担当

  • げっぷ担当

  • 寝かしつけ担当

  • ガーゼ管理、洗濯、買い物でもOK

男性は「役割を一つ持つ」と父親実感が爆発的に高まる

これも多くの研究で示されている傾向。


● ⑤ 赤ちゃんに“話しかける”習慣をつける

  • 内容は何でも良い

  • 声を聞くだけで赤ちゃんの脳が活性化

  • 父親の声は“安心のサイン”として認識される

愛着は言葉の意味ではなく“音のリズム”で深まる

これは日本ではあまり知られていないポイント。


■ 第4章 パートナーと乗り越える“夫婦チーム育児”

● 妻も不安を抱えている

  • 「母親になれていない」不安

  • 産後のホルモン変化

  • 身体の疲労

  • 睡眠不足
    実は妻も“母親になれない不安”を感じる時期がある。

● 効果的な夫婦のコミュニケーション

  • 感情より“事実”を共有する

  • 一方的にアドバイスをしない

  • 「ありがとう」「助かる」を言葉にする

  • できないときは正直に言う

  • 役割分担は「できることベース」で考える

● 本文:夫婦関係は赤ちゃんの情緒安定に直結する

研究でも、夫婦間のコミュニケーションが良いほど、赤ちゃんは少ない刺激で落ち着きやすいとされる。

家庭は“戦場”ではなく、夫婦が同じ方向を見る“チーム”であることが一番大切


■ 第5章 赤ちゃんと“絆が生まれる瞬間”を増やす方法

● 父性を育てる“黄金の瞬間”

  • 寝起きの赤ちゃんと目が合う

  • グズり始めの抱っこ

  • 首がすわってきて表情が変わった時期

  • 父親の声に反応する最初の瞬間

● 愛着は“回数より質”

  • 長時間の育児より、短くて良い関わりを毎日

  • 赤ちゃんの表情を読む練習をする

  • スマホを置き、赤ちゃんだけを見る時間を5分作る

● 本文:小さな成功体験が父親を作る

“父性がない”人はいません。

ただ、父性を覚醒させる“きっかけ”をまだ経験していないだけです。

赤ちゃんの反応が返ってくる瞬間、父親としての自信が一気に育ち始めます。


■ おわりに

「父親になれない不安」は、あなたが真剣に家族の未来を考えている証です。

父親はある日突然完成するものではなく、赤ちゃんと関わり、失敗し、学び、喜び、その積み重ねの中で少しずつ形になっていくものです。

大切なのは、「完璧な父親になること」ではなく、“赤ちゃんと妻のそばにい続けること”

あなたの不安は、あなたの優しさの裏返し。

あなたはすでに父親への第一歩を踏み出しています。

ゆっくりで大丈夫。

赤ちゃんも、妻も、きっとあなたを必要としています。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。


参考文献

  1. Paulson, JF. Transition to Fatherhood and Paternal Mental Health.

  2. Feldman, R. Father–Infant Bonding and Neurobiology of Paternal Behavior.

  3. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30934062/

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