今回は、高齢者に多い大腿骨転子部骨折について説明していきます
医療従事者の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
はじめに
大腿骨転子部骨折は、高齢者に多く見られる骨折の一種であり、特に転倒などの軽微な外力によって発生することが多いです。
この骨折は、歩行能力の低下や日常生活の制限を引き起こし、生活の質を大きく損なう可能性があります。
また、適切な治療とリハビリテーションが行われない場合、長期的な寝たきりや合併症のリスクも高まります。
本記事では、大腿骨転子部骨折の特徴、原因、治療法、予防策について、最新の研究やガイドラインに基づいて詳しく解説します。
1. 大腿骨転子部骨折の特徴
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解剖学的特徴: 大腿骨転子部は、大腿骨の上部に位置し、股関節に近い部分です。この部位の骨折は、骨粗鬆症の影響を受けやすく、高齢者に多く発生します。
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発生機序: 転倒などの軽微な外力によって発生することが多く、特に自宅内での転倒が主な原因とされています。
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症状: 患部の痛み、腫れ、歩行困難が主な症状であり、骨折の程度によっては脚の変形や短縮が見られることもあります。
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診断: X線検査が一般的ですが、骨折の程度や位置を詳しく把握するためにCTやMRIが用いられることもあります。
2. 治療法とリハビリテーション
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手術療法: 骨折の安定性や患者の全身状態に応じて、骨接合術が一般的に選択されます。
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保存療法: 手術が困難な場合、安静や装具を用いた保存療法が行われますが、長期の寝たきりによる合併症のリスクが高まります。
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リハビリテーション: 早期からのリハビリが重要であり、歩行訓練や筋力強化、日常生活動作の回復を目指します。
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多職種連携: 医師、看護師、理学療法士、作業療法士などが連携し、包括的なケアを提供することが回復への鍵となります。
3. 予防策と生活上の注意点
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骨粗鬆症の管理: カルシウムやビタミンDの摂取、適度な運動、薬物療法などで骨密度を維持・向上させることが重要です。
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転倒予防: 住環境の整備(段差の解消、手すりの設置)、視力のチェック、適切な履物の選択などが効果的です。
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定期的な健康チェック: 骨密度測定や身体機能の評価を定期的に行い、リスクを早期に把握することが予防につながります。
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生活習慣の見直し: バランスの取れた食事、禁煙、適度な運動習慣の継続が骨折予防に寄与します。
おわりに
大腿骨転子部骨折は、高齢者の生活の質を大きく左右する重要な健康問題です。
しかし、適切な知識と対策を講じることで、予防や早期回復が可能です。
家族や医療従事者と連携しながら、日常生活の中でできる予防策を実践し、健康的な生活を維持していきましょう。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました
参考文献
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大腿骨頚部・転子部骨折のガイドライン – 岡山大学オビリン大学+2岡山大学図書館+2J-STAGE+2
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大腿骨転子部骨折例における杖歩行の可否に影響を与える要因J-STAGE
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大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン2021(改訂第3版)Mindsガイドラインライブラリ+1オビリン大学+1