今回は、コーヒーは心臓に良いのか？悪いのか？研究が示す意外な真実について説明していきます
医療従事者の立場から説明していきますので、是非最後まで読んでみて下さい！
はじめに
コーヒーは世界中で愛されている飲み物ですが、健康への影響については賛否が分かれます。
特に、「コーヒーは心臓に良いのか？悪いのか？」という疑問は、長年議論されてきました。
一方で、「コーヒーが心臓病のリスクを下げる」という研究結果もあれば、「カフェインが血圧を上昇させ、心臓に悪影響を及ぼす」という意見もあります。
では、実際のところ、コーヒーは心臓にとって良いのでしょうか？それとも悪いのでしょうか？
本記事では、最新の研究データをもとに、コーヒーと心臓の関係について詳しく解説します。
1. コーヒーが心臓に良いとされる理由
● コーヒーの抗酸化作用が心臓を守る
- コーヒーには、ポリフェノールやクロロゲン酸などの抗酸化物質が豊富に含まれており、これが動脈硬化を防ぐ効果があるとされています。
- 2022年の**「European Journal of Preventive Cardiology」の研究では、1日2～3杯のコーヒーを飲む人は心血管疾患のリスクが最大15％低下**することが示されました。
● コーヒーが血糖値を安定させる
- コーヒーはインスリンの感受性を高める作用があり、糖尿病のリスクを下げるとされています。
- 2021年の「American Heart Association」の研究によると、糖尿病の発症リスクが低下することで心筋梗塞や脳卒中のリスクも低減する可能性があると報告されています。
● 適度なカフェインが血管を拡張し血流を改善する
- 適量のカフェインは、血管を拡張し血流を良くする働きがあり、これが心臓に良い影響を与えると考えられています。
- 2023年の「Journal of the American College of Cardiology」の研究では、1日2～3杯のコーヒーを飲む人は心不全のリスクが30％低下することが明らかになりました。
2. コーヒーが心臓に悪影響を及ぼす可能性
● カフェインが血圧を上昇させる
- コーヒーに含まれるカフェインは、一時的に交感神経を刺激し、血圧を上昇させることが知られています。
- 2020年の「Hypertension Journal」の研究では、1日4杯以上のコーヒーを飲むと、高血圧のリスクが20％上昇することが報告されています。
● コーヒーが心拍数を増加させる
- カフェインは心臓の鼓動を速くするため、動悸や不整脈を引き起こす可能性があります。
- 特に、**心房細動（AFib）**を持つ人にとっては、カフェインが不整脈の引き金になることがあるため注意が必要です。
- 2022年の「Circulation: Arrhythmia and Electrophysiology」の研究では、1日5杯以上のコーヒーを飲むと不整脈のリスクが高まると指摘されています。
● コーヒーの飲みすぎがストレスホルモンを増加させる
- カフェインは、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を促進し、長期的に見ると心臓に負担をかける可能性があります。
- 2019年の「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」の研究では、毎日4杯以上のコーヒーを飲むとコルチゾールレベルが持続的に高まり、心血管疾患のリスクが増加することが示されています。
3. どのくらいのコーヒーが心臓にとって適量なのか？
● 研究が示す「適量」の目安
- 多くの研究では、1日2～3杯のコーヒーが最も心臓に良いと結論づけられています。
- 2022年の「European Journal of Preventive Cardiology」の研究では、1日2～3杯のコーヒーが心臓病のリスクを最大15％低減することが示されました。
● コーヒーを飲む際の注意点
- 夜遅くに飲まない：カフェインの影響で睡眠の質が低下し、それが心臓病のリスクを高める可能性があります。
- 砂糖やクリームを控える：砂糖や脂肪分の多いミルクを入れると、心臓病のリスクが上がるため、ブラックコーヒーが推奨されます。
- 高血圧や不整脈がある人は控えめに：医師と相談しながら適量を調整することが大切です。
おわりに
コーヒーが心臓に良いのか悪いのかという議論は長年続いてきましたが、最新の研究では「適量であれば心臓に良い影響を与える」ことが示されています。
特に、1日2～3杯のコーヒーは心血管疾患のリスクを低減する可能性が高いというデータが多数報告されています。
ただし、飲みすぎると血圧の上昇や不整脈のリスクが高まるため、適量を守ることが重要です。
「コーヒーは心臓に良いのか？」の答えは、**「適量なら良いが、過剰摂取は控えよう」**というのが科学的に最も正しい結論と言えるでしょう。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
参考文献
- European Journal of Preventive Cardiology, “Coffee Consumption and Cardiovascular Health” (2022)
- Journal of the American College of Cardiology, “Coffee and Heart Failure Risk” (2023)
- American Heart Association, “Caffeine and Heart Health”
