今回は、心リハ指導士直伝・心臓に優しい運動について説明していきます
心リハ指導士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
目次
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はじめに
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準備運動で心臓を守る
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有酸素運動の実践法
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筋力を維持する軽負荷運動
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呼吸と運動の連携法
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安全に続けるための習慣化
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おわりに
はじめに
心臓病や心不全のリスクを抱える方にとって、「どのような運動を行うか」は大きな課題です。
過度な運動は心臓に負担をかけますが、逆に運動不足は血流の停滞や筋力低下を招き、心臓への負担を増やす要因になります。
近年の研究では、「たとえ10分間の軽い運動でも心臓機能や生活の質(QOL)を改善する」ことが報告されています。
心リハ指導士は、こうした科学的エビデンスに基づき、誰でも安全に取り組める運動を指導しています。
本稿では、日常で無理なく取り入れられる10分間の心臓に優しい運動法を、具体例を交えながら紹介します。
1. 準備運動で心臓を守る
運動前の準備運動は、血流をスムーズにし、急激な心拍数上昇を防ぐために重要です。特に心臓に持病を抱える方は必須です。
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ゆっくりと深呼吸を繰り返す
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首・肩をやさしく回す
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足首を左右に動かす
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軽い足踏みを30秒
これにより自律神経のバランスが整い、血圧の急な変動を防ぐことができます。
2. 有酸素運動の実践法
心臓に優しい運動の中心は「軽度の有酸素運動」です。10分でも効果があり、週に数回の継続で持久力が高まります。
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ゆっくりとした散歩(会話できる強度)
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椅子に座っての足踏み運動
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軽いエアロバイク(低負荷設定)
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家の中で音楽に合わせてステップ
最新の欧州心臓病学会の報告では、「低~中強度の有酸素運動は心不全患者の死亡リスクを減らす」ことが確認されています。
3. 筋力を維持する軽負荷運動
心臓病患者は筋力低下が進みやすく、これが転倒や活動制限の原因となります。軽い筋トレを取り入れることは心臓への優しさにつながります。
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椅子に腰かけてスクワット(浅く)
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ペットボトルを使った腕の曲げ伸ばし
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足を交互にゆっくり持ち上げる
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軽いチューブを使った運動
無理なく「心拍数を大きく上げない」ことが重要です。
4. 呼吸と運動の連携法
呼吸は心臓の負担を軽減する重要な要素です。息を止めて運動すると血圧が急上昇するため注意が必要です。
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動作に合わせて「吐きながら exertion」
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吸うより吐くことを意識する
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運動後は深い腹式呼吸で回復
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呼吸リズムに合わせてステップ運動
米国の研究では「呼吸法と軽い運動を組み合わせると心拍変動が改善する」と報告されています。
5. 安全に続けるための習慣化
効果を出すには「継続」が不可欠です。そのためには、生活の一部として習慣化する工夫が必要です。
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毎日10分だけ、決まった時間に運動
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症状(息切れ・胸痛)が出たら即中止
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運動記録をノートに残す
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医師や指導士に定期的に相談
これにより安心して継続でき、長期的な心臓の健康を守れます。
おわりに
心臓に優しい運動は「長時間・激しいもの」ではなく、「毎日10分の積み重ね」です。
最新のエビデンスも、少量の運動が心臓機能や生活の質を大きく改善することを示しています。
大切なのは、「無理をせず、楽しみながら続けること」です。今日からでも始められる10分間の運動を、あなたの生活習慣にぜひ取り入れてください。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました
参考文献
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Piepoli MF, et al. Exercise training in heart failure: from theory to practice. Eur Heart J. 2016.
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Taylor RS, et al. Exercise-based rehabilitation for heart failure. Cochrane Database, 2019. リンクはこちら
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日本循環器学会「心臓リハビリテーションガイドライン」2021年改訂版