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「年のせい」だと思ってた咳が、実は喘息の可能性が…

今回は、長引く咳が「喘息」の可能性があるかもしれない事の説明をしていきます。

呼吸療法士の立場から説明していきますので、是非最後まで読んでみて下さい!

はじめに:咳は「年のせい」ではないかもしれません

年齢を重ねると、咳や息切れを「年のせい」と考えがちですが、実はこれが喘息のサインである可能性があります。

特に高齢者では、喘息の診断が見逃されやすく、適切な治療が遅れることがあります。

今回は

  1. 高齢者における喘息の特徴と診断の難しさ
  2. 高齢者の喘息が見逃される理由とその影響
  3. 高齢者の喘息管理と予防策

をもとに喘息ついて詳しく説明していきます。


1. 高齢者における喘息の特徴と診断の難しさ

高齢者の喘息の特徴

  • 症状の違い: 若年者の喘息と比べ、高齢者では咳が主な症状となることが多く、喘鳴や息切れが目立たない場合があります。

  • 診断の難しさ: 高齢者では、他の呼吸器疾患(COPDや心不全など)との鑑別が難しく、喘息の診断が遅れることがあります。

診断のポイント

  • 詳細な問診: 咳の持続期間、発症時期、悪化要因(運動、冷気、アレルゲンなど)を詳しく聞き取ります。

  • 呼吸機能検査: スパイロメトリーや気道過敏性試験(メサコリンチャレンジテスト)を行い、気道の可逆性や過敏性を評価します。

  • 他疾患の除外: 心不全やCOPDなど、他の呼吸器疾患との鑑別が重要です。

 


2. 高齢者の喘息が見逃される理由とその影響

見逃される理由

  • 症状の軽視: 高齢者自身が咳や息切れを「年のせい」と考え、医療機関を受診しないことがあります。

  • 医療者の認識不足: 医療者が高齢者の喘息を疑わず、他の疾患と誤診することがあります。

影響

  • 治療の遅れ: 適切な治療が行われず、症状が悪化する可能性があります。

  • 生活の質の低下: 咳や息切れにより、日常生活に支障をきたすことがあります。

  • 重篤な合併症: 喘息の悪化により、入院や生命の危険を伴うことがあります。

 


3. 高齢者の喘息管理と予防策

管理のポイント

  • 定期的な受診: 症状が軽度でも、定期的に医療機関を受診し、状態を把握することが重要です。

  • 吸入療法の適切な使用: 吸入薬の正しい使用方法を習得し、継続的に使用することが効果的です。

  • 生活習慣の改善: 禁煙、適度な運動、バランスの取れた食事など、生活習慣の見直しが症状の改善につながります。

予防策

  • アレルゲンの回避: ハウスダストや花粉など、喘息を悪化させる要因を避けることが重要です。

  • 感染症の予防: インフルエンザや肺炎などの感染症が喘息を悪化させることがあるため、予防接種を受けることが推奨されます。

 


おわりに

高齢者における咳や息切れは、単なる「年のせい」ではなく、喘息の可能性があります。

早期の診断と適切な管理により、生活の質を向上させることができます。

気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました​


参考文献

  1. Yáñez A, et al. “Asthma in the elderly: a different disease?” Multidisciplinary Respiratory Medicine. 2015. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4818235/

  2. Hanania NA, et al. “Asthma in the elderly: Current understanding and future research needs.” Journal of Allergy and Clinical Immunology. 2011.

  3. Bellia V, et al. “Asthma in the elderly: what we know and what we have yet to know.” World Allergy Organization Journal. 2014.PMC+1PMC+1PMCPMC

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