今回は、スマホ首の落とし穴!PTが教える首のセルフケアについて説明していきます
理学療法士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
📑 目次
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はじめに
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スマホ首とは?その正体
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見逃されがちなスマホ首の影響
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海外研究が示す首への負担
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理学療法士が教えるセルフケア法
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日常生活でできる予防の工夫
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おわりに
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参考文献
はじめに
スマートフォンの普及により、私たちの生活は便利になりました。
しかし、その一方で「スマホ首(テキストネック)」と呼ばれる新しい健康問題が広がっています。
首を前に傾ける姿勢が続くと、頭の重さが通常の2倍以上首にかかり、肩こりや頭痛、さらには自律神経の乱れにまで影響を及ぼします。
本記事では、理学療法士(PT)の視点からスマホ首の危険性と、今日からできるセルフケア・予防法について解説していきます。
1. スマホ首とは?その正体
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頭が前に傾き首に大きな負担
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首の自然なカーブが失われる
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若年層にも急増している問題
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放置すると頸椎症に進行の恐れ
👉 スマホを見ているとき、首は通常の角度より15〜45度も前に傾いています。このとき、首にかかる負荷は12〜27kgにもなり、まるで子どもを首の上に乗せているような状態です。
2. 見逃されがちなスマホ首の影響
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慢性的な肩こりや頭痛
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集中力や睡眠の質低下
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自律神経の乱れによる不調
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呼吸が浅くなることで疲労感
👉 最新の研究では、スマホ首は単なる筋肉の疲労だけでなく、「自律神経のバランス」にも影響を与えると報告されています。首の姿勢が悪化すると交感神経が優位になり、不眠や倦怠感につながることもあります。
3. 海外研究が示す首への負担
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15度前傾で12kgの負荷
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30度で18kg、60度で27kg
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長時間持続すると骨変形も
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10代でも発症例が増加
👉 米国整形外科学会の報告によれば、スマホ利用時間が長い学生ほど「首の湾曲異常」と「頭痛」の頻度が高い傾向があることが示されています。また、韓国の研究では、1日4時間以上スマホを使う若年者に頸椎症の前兆が出る割合が有意に高いとされています。
4. 理学療法士が教えるセルフケア法
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顎引き運動(首のカーブ回復)
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胸を開くストレッチ
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肩甲骨を寄せるエクササイズ
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深呼吸で自律神経を整える
👉 特に「顎引き運動」はシンプルで効果的です。椅子に座り、頭を後ろに倒さずに顎だけを軽く後方に引きます。この動作を10秒キープ×10回行うことで、首の自然なカーブが回復し、負担を減らすことができます。
5. 日常生活でできる予防の工夫
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スマホを目の高さで使う
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30分ごとに首を後ろへ反らす
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枕の高さを適切に調整
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PC作業は画面を目線に合わせる
👉 特に「目線の高さ調整」は重要です。スマホやパソコンは「下を向かず、目の高さで操作する」ことが、最もシンプルで効果的な予防法です。
簡単な図解イメージ
👉 良い姿勢では頭が肩の真上にありますが、悪い姿勢では頭が前に出て、首・肩に負担が集中します。
おわりに
スマホ首は「現代病」といえるほど、誰もが抱えるリスクになっています。
しかし、適切なセルフケアと予防習慣を取り入れることで、進行を防ぎ、首の健康を保つことが可能です。
「少し首が重い」「最近頭痛が増えた」と感じたときは、すでにスマホ首のサインかもしれません。
今日からできる小さな工夫を積み重ねることで、未来の健康を守りましょう。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました
📚 参考文献
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Hansraj KK. Assessment of stresses in the cervical spine caused by posture and position of the head. Surg Technol Int. 2014. リンク
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Kim, H. et al. Text neck syndrome in adolescents: prevalence and risk factors. Spine J. 2020.
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日本理学療法士学会誌「スマートフォン使用による頸部負担とその対策」2022.