" />

「誰か助けて」産後、言えなかった妻が変われたきっかけ

今回は、「誰か助けて」産後、言えなかった妻が変われたきっかけについて説明していきます

医療従事者の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!

目次

はじめに
1 産後の妻が「誰か助けて」と言えなくなっていった理由
2 夫から見えなかった、産後の妻の心と脳の変化
3 すれ違いの中で積み重なった沈黙と孤独
4 妻が変わり始めた本当のきっかけ
5 夫婦で学び直した「助けを求める力」
おわりに
参考文献
――――――――――

はじめに

産後の妻を前にして、「なぜそんなに不安定なのか」「どうして何も言ってくれないのか」と戸惑った経験を持つ夫は少なくありません。

私もその一人でした。外から見れば、子どもは無事に生まれ、生活は回っているように見える。

しかし妻の表情は日に日に消えていき、笑顔がなくなり、会話も減っていく。

それでも妻は「大丈夫」としか言わない。本当は心の奥で「誰か助けて」と叫んでいることに、当時の私は気づけませんでした。

今回は、産後に助けを求められなかった妻が、どうやって変わることができたのかを、夫の視点と最新の研究知見を交えながら掘り下げていきます。

1 産後の妻が「誰か助けて」と言えなくなっていった理由

・「母親なのだから頑張るべき」という内面化された価値観
・弱さを見せることへの恐怖
・夫や社会への遠慮と諦め

産後の妻は、誰よりも真面目でした。

母親になる以上、泣き言を言ってはいけない、弱音を吐いてはいけない、そう自分に言い聞かせていたのです。

日本ではいまだに「母性は自然に湧くもの」という幻想が根強く、苦しさを訴えることが「愛情不足」のように扱われがちです。

2023年の日本助産学会の調査では、産後うつ傾向のある女性の約6割が「周囲に迷惑をかけたくない」という理由で相談を控えていたと報告されています。

妻もまた、夫である私にさえ、迷惑をかけてはいけないと思い込んでいました。

2 夫から見えなかった、産後の妻の心と脳の変化

・ホルモン変動が感情調整機能に与える影響
・産後の脳は「非常時モード」にある
・論理的説明が通じにくくなる理由

産後、女性の脳は劇的に変化します。2024年にNature Neuroscienceに掲載された研究では、出産後の女性の脳は、恐怖や不安に関わる領域が過敏化し、常に警戒状態にあることが示されました。

これは赤ちゃんを守るための適応ですが、同時に不安や自己否定を増幅させます。

当時の私は「そんなに考えすぎなくてもいい」と言っていましたが、それは科学的に見て完全に的外れでした。

妻は意志の力で不安を止められる状態ではなかったのです。

3 すれ違いの中で積み重なった沈黙と孤独

・「手伝っているつもり」の夫と「一人で抱える妻」
・言葉にできないSOS
・夫婦関係が機能不全に陥るメカニズム

私は家事も育児も「できる範囲で」やっていました。しかし妻が求めていたのは作業量ではなく、理解でした。

2022年の英国BMJ Openの論文では、産後女性の抑うつは「パートナーからの情緒的支援の不足」と強く相関すると報告されています。

妻は「どうせ言っても分かってもらえない」と感じ、沈黙を選びました。

その沈黙こそが、最も危険なサインだったのです。

4 妻が変わり始めた本当のきっかけ

・第三者の言葉がもたらした認知の転換
・専門家による「正常な反応」という説明
・初めて「助けていい」と思えた瞬間

転機は、自治体の産後訪問でした。保健師が妻に「それは珍しいことではありません」と伝えた瞬間、妻は声を上げて泣きました。

2024年のカナダの研究では、専門職からの正常化(ノーマライゼーション)が、産後うつ症状の改善に大きく寄与すると示されています。

妻は初めて、自分が壊れているわけではないと理解できたのです。

5 夫婦で学び直した「助けを求める力」

・夫が変わることで妻も変われる
・「解決」より「共有」を選ぶ姿勢
・支援を使うことは家族の強さ

私自身も学び直しました。助けを求めることは、依存ではなく戦略であるということ。

2023年のWHOの報告では、家族単位での支援利用が、母親の回復だけでなく、父親のメンタルヘルス改善にもつながるとされています。

夫婦で「助けていい」と合意できたとき、ようやく妻は言葉を取り戻していきました。

おわりに

「誰か助けて」と言えなかった妻が変われたのは、強くなったからではありません。

理解され、否定されず、支えられる環境が整ったからです。

そしてそれは、夫である私が学び、変わることから始まりました。

産後の問題は、妻一人の課題ではなく、夫婦、そして社会全体の課題です。

この文章が、今まさに沈黙の中にいる誰かの家庭に、小さな光を灯すことを願っています。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

参考文献

・Nature Neuroscience (2024) “Postpartum brain adaptation and emotional regulation”
・WHO (2023) “Family-based approaches to maternal mental health”
・厚生労働省 産後ケア事業に関する報告書
https://www.mhlw.go.jp/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA