今回は、「湿疹が治らない…ただの肌荒れじゃないかも」について説明していきます。
医療従事者の立場から説明していきますので、是非最後まで読んでみて下さい!
はじめに
肌のかゆみや湿疹が続くと、「乾燥しているだけ」「ちょっとした肌荒れかな」と思ってしまいがちです。
しかし、それが慢性的に続いたり、症状が悪化するようなら、ただの肌荒れではなく アレルギーや皮膚疾患、内臓の不調 が関係している可能性があります。
特に、以下のような症状がある場合は要注意です。
✅ かゆみが長期間続く(1か月以上)
✅ 湿疹が繰り返しできる
✅ かさぶたやジュクジュクした部分がある
✅ 薬を塗っても改善しない
✅ 特定の食べ物や環境で悪化する
今回は 「肌荒れと皮膚疾患の違い」 を明確にしながら、 考えられる病気や対処法 を詳しく解説していきます。
1. 肌荒れと皮膚疾患の違い – ただの乾燥じゃないかも?
「肌荒れ」と「皮膚疾患」は似ているようで違います。 肌荒れは一時的なもの で、生活習慣の改善やスキンケアで治ることがほとんどです。
しかし、 皮膚疾患は病気の一種 であり、適切な治療が必要です。
1-1 肌荒れの特徴
✔ 一時的な症状(季節の変化やスキンケアの影響)
✔ 乾燥や軽い赤みがある
✔ 保湿や生活改善で良くなる
1-2 皮膚疾患の特徴
✔ 慢性的に続く(1か月以上治らない)
✔ かゆみが強い、湿疹が繰り返す
✔ 皮がむける、ひどい炎症がある
✔ 治療しないと悪化する
「いつものスキンケアで治らない」「何をしてもかゆい」という場合は、 皮膚疾患の可能性 があります。
2. かゆみ・湿疹の原因 – これが病気のサインかも?
かゆみや湿疹の原因は多岐にわたります。
特に 体の内部(アレルギーや内臓の不調) が関係している場合、皮膚のケアだけでは治りません。
2-1 アレルギーが原因のケース
✔ アトピー性皮膚炎:遺伝的要因も関係し、ダニ・ホコリ・食べ物などで悪化
✔ 食物アレルギー:乳製品、小麦、卵などが原因となることも
✔ 接触皮膚炎:化粧品や洗剤が合わずにかぶれる
2-2 皮膚疾患が原因のケース
✔ 脂漏性皮膚炎:皮脂の分泌異常による湿疹(頭や顔に出やすい)
✔ 乾癬(かんせん):皮膚が厚くなり、銀白色の鱗屑(りんせつ)ができる
✔ 蕁麻疹(じんましん):ストレスやアレルギーが引き金となる
2-3 内臓の不調が関係しているケース
✔ 肝臓の疾患(脂肪肝・肝硬変など) → 体の解毒機能が低下し、皮膚が荒れる
✔ 腎臓の不調 → 老廃物がうまく排出できず、かゆみが出る
✔ 糖尿病 → 血糖値のコントロールが悪くなると皮膚炎を起こしやすい
こうした 内臓の不調は、血液検査で判明することが多い ので、湿疹が治らない場合は病院で検査を受けるのも重要です。
3. かゆみ・湿疹の治療と対策 – 皮膚科での診断とセルフケア
かゆみや湿疹が治らない場合、まず 皮膚科で正しい診断を受けることが大切 です。
その上で、以下のような治療・対策を行いましょう。
3-1 皮膚科での治療
✔ 抗炎症薬(ステロイド・非ステロイド外用薬) → 炎症を抑える
✔ 抗ヒスタミン薬(アレルギー薬) → かゆみを軽減
✔ 保湿剤(ワセリン・ヒルドイドなど) → 皮膚のバリア機能を回復
✔ 紫外線治療(ナローバンドUVBなど) → 乾癬やアトピーに有効
3-2 セルフケアのポイント
✔ 入浴方法を見直す → 熱すぎるお湯(40℃以上)はNG
✔ 保湿を徹底する → お風呂上がり3分以内に保湿剤を塗る
✔ 食生活の改善 → 抗炎症作用のある食品(青魚・オリーブオイル・ビタミンC)を摂取
✔ ストレス管理 → 睡眠不足やストレスで悪化するため、リラックスを心がける
また、 「自己判断で市販薬を使い続ける」のは危険 です。
症状によっては逆効果になることもあるので、 医師の診断を受けて適切な治療を行う ことが大切です。
おわりに
「ただの肌荒れだと思っていたら、実は病気だった」というケースは少なくありません。
長引くかゆみや湿疹は、皮膚科を受診するサイン です。
✅ 1か月以上続くかゆみ・湿疹は病気の可能性あり
✅ スキンケアで治らないなら、アレルギーや内臓の不調を疑う
✅ 皮膚科の診断を受け、適切な治療とセルフケアを行う
「これくらい大丈夫」と放置せず、 早めの対処が大切 です。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
参考文献
- 日本皮膚科学会「湿疹・皮膚炎の診療ガイドライン」
- Harvard Medical School「Chronic Itching: When to See a Doctor」リンク
- 厚生労働省「アトピー性皮膚炎に関する最新研究」