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介護保険の新規認定と更新認定の違いについて

今回は、介護保険の新規認定と更新認定の違いについて説明していきます

医療従事者の立場から説明していきますので、是非最後まで読んでみて下さい!

目次

  1. はじめに

  2. 介護保険制度の基本概要

  3. 新規認定の流れと特徴

  4. 更新認定の流れと特徴

  5. 新規と更新の違いのポイント

  6. 認定を受ける際の注意点と実務的工夫

  7. おわりに


はじめに

日本の高齢化は急速に進んでおり、介護保険制度は高齢者やその家族にとって不可欠な社会保障の柱となっています。

介護保険を利用するためには「要介護認定」を受ける必要がありますが、この認定には「新規認定」と「更新認定」という2つの大きなステップがあります。

しかし、多くの方が「新規認定と更新認定は同じではないのか?」と疑問を抱きます。

実際には申請方法や評価の視点、準備すべき内容に微妙な違いがあり、それを理解することがスムーズな介護サービス利用につながります。

本記事では、最新の研究や実務現場での知見も交えつつ、専門家の立場から「新規認定」と「更新認定」の違いをわかりやすく解説していきます。


介護保険制度の基本概要

  • 介護保険は40歳以上の国民が加入する社会保険制度

  • 65歳以上は原因を問わず介護が必要なら対象

  • 40歳~64歳は特定疾病により介護が必要な場合に対象

  • サービス利用には市町村の「要介護認定」が必須

 


新規認定の流れと特徴

  • 初めて介護保険サービスを利用する際に必要

  • 市町村に申請 → 認定調査 → 主治医意見書の提出

  • コンピュータ判定+介護認定審査会で要介護度を決定

  • 本人や家族の情報提供が特に重要

特徴

  • 初めてのため情報がゼロから集められる

  • 医師の意見書が特に重視されやすい

  • 調査員の訪問調査が詳細に行われる傾向

  • ケアマネジャーや地域包括支援センターのサポートが鍵

 


更新認定の流れと特徴

  • 有効期間(6か月~36か月)が切れる前に再申請が必要

  • 新規と同様に調査・医師意見書・審査会が行われる

  • 前回の認定結果やサービス利用状況が参考にされる

  • 病状や生活状況の変化を的確に伝えることが重要

特徴

  • 前回との比較が重視されやすい

  • 状態が改善すれば要介護度が下がる可能性あり

  • 逆に悪化していれば要介護度が上がることもある

  • 更新を忘れるとサービスが途切れるリスクがある

 


新規と更新の違いのポイント

  • 新規は「ゼロからの評価」、更新は「継続性の評価」

  • 新規は本人・家族の情報提供量が特に大切

  • 更新は過去の記録・利用実績との比較が中心

  • 新規は時間がかかる傾向、更新は比較的スムーズ

 


認定を受ける際の注意点と実務的工夫

  • 医師意見書は受診時に状況を正確に伝えることが大切

  • 訪問調査ではできないことを隠さずに伝える

  • 更新申請は有効期限の60日前から可能、早めに動く

  • ケアマネジャーと相談し、必要なサービスを明確にしておく

 


おわりに

介護保険の「新規認定」と「更新認定」は一見同じ手続きを踏んでいるように見えますが、その評価の焦点には違いがあります。

新規認定では「その人の状態を初めて把握すること」、更新認定では「前回からどのように変化しているかを確認すること」が重要です。

この違いを理解して準備を進めることで、必要な介護サービスを途切れなく受けられる可能性が高まります。

制度の正しい理解と早めの対応が、本人と家族の安心につながるのです。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました


参考文献

  1. 厚生労働省. 介護保険制度の概要. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000183318.html

  2. Ikegami N, et al. Japanese Long-Term Care Insurance: Lessons From Ten Years’ Experience. Health Affairs, 2011.

  3. 介護保険最新白書 2024年度版(中央法規出版)

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