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大動脈解離ってどんな病気?心リハ指導士が徹底解説!

今回は、大動脈解離ってどんな病気?について説明していきます

心リハ指導士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!

目次

  1. はじめに

  2. 大動脈解離とは何が起きている病気なのか

  3. なぜ起こる?大動脈解離の原因とリスク因子

  4. 見逃してはいけない症状と発症時の特徴

  5. 治療と予後 ― 命を守るために何が行われるのか

  6. 心リハ指導士が伝えたい再発予防と生活管理

  7. おわりに

  8. 参考文献


はじめに

「大動脈解離」という言葉を聞くと、多くの人が「突然死」「助からない病気」という強いイメージを持つかもしれません。

確かに大動脈解離は、発症直後の対応が生死を分ける極めて重篤な疾患です。

しかし一方で、医療の進歩と適切なリハビリ・生活管理によって、発症後も長く安定した生活を送れる人が増えているのも事実です。

私は心臓リハビリテーション(心リハ)に関わる立場として、急性期治療を乗り越えた患者さんが「再び安心して生活する」ための支援に携わってきました。

本記事では【大動脈解離ってどんな病気?心リハ指導士が徹底解説!】をテーマに、

  • 病気の仕組み

  • 発症の背景

  • 症状の見分け方

  • 治療後に本当に大切なこと

を、専門知識を噛み砕いて分かりやすく解説します。


大動脈解離とは何が起きている病気なのか

ポイント

  • 大動脈の壁が裂ける

  • 血管の内側が剥がれる

  • 血流が二重になる

  • 全身臓器に影響

本文

大動脈解離とは、心臓から全身へ血液を送る大動脈の壁が内側から裂ける病気です。

大動脈は三層構造になっており、内膜に亀裂が入ると、血液が壁の中に流れ込み、本来の血管とは別の「偽の通り道(偽腔)」を作ります。

この状態が進行すると、

  • 心臓

  • 腎臓

などへの血流が障害され、一気に命の危険が高まります

特に上行大動脈に起こる「Stanford A型」は、緊急手術が必要となる代表的な重症型です。


なぜ起こる?大動脈解離の原因とリスク因子

ポイント

  • 高血圧が最大要因

  • 動脈硬化の進行

  • 遺伝性疾患

  • 急激な血圧上昇

本文

大動脈解離の最大の危険因子は高血圧です。

長年の高血圧により血管壁が傷み、ある瞬間に耐えきれず裂けてしまいます。

海外の大規模研究では、大動脈解離患者の約7割以上に高血圧の既往があると報告されています。

また、

  • マルファン症候群

  • エーラス・ダンロス症候群

といった結合組織疾患もリスクとなります。

さらに、重い物を持つ、強くいきむ、激しい怒りなど、急激な血圧上昇が引き金になることも、心リハの現場では非常に重要な視点です。


見逃してはいけない症状と発症時の特徴

ポイント

  • 突然の激痛

  • 背中や胸の痛み

  • 痛みが移動する

  • 意識障害を伴う

本文

大動脈解離の典型的な症状は、突然起こる激しい痛みです。

「今まで経験したことがない」「引き裂かれるような」と表現されることが多く、胸から背中、腹部へと痛みが移動するのが特徴です。

また、

  • ろれつが回らない

  • 片側の手足が動かない

  • 失神

といった症状が出ることもあり、これは脳血流障害を示唆します。症状の多様性が、発見を遅らせる一因でもあります。


治療と予後 ― 命を守るために何が行われるのか

ポイント

  • 型による治療差

  • 緊急手術の重要性

  • 厳格な血圧管理

  • 長期フォロー必須

本文

治療は解離の部位によって大きく異なります。

Stanford A型では緊急手術が原則で、B型では内科的治療が選択されることもあります。

いずれの場合も、

  • 血圧

  • 心拍数

を厳密に管理し、血管への負担を最小限にすることが重要です。

近年はステントグラフト治療の進歩により、侵襲を抑えた治療も可能になっています。


心リハ指導士が伝えたい再発予防と生活管理

ポイント

  • 血圧は一生管理

  • 運動は制限付きで必要

  • ストレス対策重要

  • 正しい知識が安心に

本文

大動脈解離は「治療が終われば安心」ではありません。再発予防と生活管理こそが本当の治療です。

心臓リハビリでは、

  • 安全な運動強度

  • 日常動作での注意点

  • 血圧が上がりやすい行動

を具体的に指導します。運動は「怖いもの」ではなく、正しく行えば血圧安定に役立つ治療手段です。


おわりに

【大動脈解離ってどんな病気?心リハ指導士が徹底解説!】

この病気は確かに怖い。しかし、正しい理解と継続的な管理があれば、人生を取り戻すことは可能です。

  • 病気を知る

  • 血圧を守る

  • 生活を整える

それが、再発を防ぎ、安心して生きる最大の武器になります。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。


参考文献

  1. Hiratzka LF et al. 2010 ACCF/AHA Guidelines for the Diagnosis and Management of Patients With Thoracic Aortic Disease. Circulation.
    https://www.ahajournals.org/

  2. 日本循環器学会「大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン」

  3. Erbel R et al. 2014 ESC Guidelines on the diagnosis and treatment of aortic diseases. European Heart Journal

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