今回は、百日咳の症状と対策について説明していきます
呼吸療法士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
はじめに
百日咳(Pertussis)は、白く光る「100日咳」とも呼ばれる、強烈な咳発作を特徴とする細菌性感染症です。
近年、ワクチン免疫の waning(効果低下)や接種率の低下で再び流行し、高齢者や大人にも増加しています。
小児では気道狭窄や肺炎を引き起こし、乳児は致命的なことさえあります。
この記事では、日常に潜む症状に注意を促し、予防・早期診断・対処法について医療・家庭レベルで詳しく解説します。
1. 初期症状は風邪とそっくり
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鼻水・くしゃみ・軽い発熱(37℃台)
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軽度の空咳が続く
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5〜10日後に悪化することが多い
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特に幼児は「単なる風邪だ」と見過ごされやすい
独自視点:初期症状が2週間以上続く場合、軽度でも自己判断せず、医療機関へ相談することが重要です。
2. 咳発作(痙攣性段階)の特徴
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短時間の連続咳(1~6週間、長いと10週間)
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咳後に高音の「ヒュー」と息を吸う音
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嘔吐や疲労、激しい咳で肋骨骨折も報告されることがある
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夜間悪化し、睡眠を妨げる
独自視点:夜に「咳で目覚める」「咳が原因で吐いてしまう」などの変化は典型的な赤信号と捉えましょう。
3. 合併症と重症リスク
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乳児は無呼吸・チアノーゼのリスク大
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高齢者や喘息有患者は肺炎、喘息悪化に注意
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捻挫・骨折、頭痛など二次的損傷もあり
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ワクチン接種済の人ほど重症化しにくいが無防備ではない
独自視点:家庭における体重低下、飲食の減少、睡眠不足などは重症化の兆候としてすぐに医師相談を。
4. 診断と治療のポイント
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感染初期(2週以内)にマクロライド系抗生物質(アジスロマイシン等)を投与するのが効果的
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咳がひどくなってからでは、発作期間短縮には効果が薄い
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家族内接触者(特に高リスク者)には曝露後予防投与が推奨される
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診断は鼻咽頭スワブのPCR/培養が必要で、咳2週間以上とWHO/CDC基準に準拠
独自視点:周囲で風邪が長引く人がいる場合、自宅での早期検査・隔離体制が重要です。
5. 予防と家庭内対策
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定期的なDTaP/Tdapワクチン接種が最も効果的
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妊婦接種で胎児期に免疫を付与(16〜36週推奨)
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こまめな手洗い、マスク着用、室内換気は基本対策
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咳中は人との距離を取り、他者に移さないエチケットを
独自視点:家族の中で妊婦や乳児がいる場合、他者よりも積極的にワクチン接種や予防投与を行いましょう。
おわりに
百日咳は「風邪の延長」ではありません。早期診断・治療・予防が全体の重症化や感染拡大を防ぎます。
特に乳児、高齢者、妊婦がいる家庭では、咳が数週間続く際の注意が命を守るカギです。
感染症再興の時代だからこそ、「咳が長引いたら百日咳を疑う」習慣を持つことが、未来の安全につながります。
セルフチェックも大切ですが、異変を感じたら迷わず医療機関へ!
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました
参考文献
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CDC. Symptoms of Whooping Cough. 2024 self.comhealth.ny.gov+15cdc.gov+15kiplinger.com+15
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NCBI. Pertussis Quasiclinical and treatment guidelines. 2024 pmc.ncbi.nlm.nih.gov+10ncbi.nlm.nih.gov+10aafp.org+10
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Kiplinger. Whooping Cough highest infection since 1948. 2024 kiplinger.com