眠れない?夜にやってしまいがちなNG習慣とは?
目次
- 寝る直前までスマホを触っている
- 「早く寝なきゃ」と頑張りすぎる
- 休日だからと夜更かしする
- 夜遅くのカフェイン・お酒・食事
- 眠れないときに布団の中で粘る
- おわりに
はじめに
「布団に入ったのに、なかなか眠れない」
そんな夜はありませんか?
眠れないと、「今日は疲れているから早く寝なきゃ」「明日は朝が早いから、あと○時間しか寝られない」と焦ってしまいます。
そしてスマホを触る。
時計を見る。
もう一度寝ようとする。
それでも眠れない……。
実は、こうした何気ない行動が、眠りを遠ざけていることがあります。
もちろん、夜にスマホを見たから必ず不眠になるわけではありません。
睡眠は、体内時計、眠気の蓄積、ストレス、生活リズム、環境など、さまざまな要素が関係しています。
特に慢性的な不眠では、単純に「早く寝る」「スマホをやめる」といった睡眠衛生だけでは十分ではありません。
米国睡眠医学会(AASM)は、慢性不眠症に対して認知行動療法(CBT-I)を強く推奨しています。
では、普段の夜にやってしまいがちな「眠りを邪魔する習慣」には、どんなものがあるのでしょうか。
1.寝る直前までスマホを触っている
これは、多くの人が思い当たるのではないでしょうか。
ベッドに入ってから、
- SNSを見る
- 動画を見る
- ゲームをする
- ニュースをチェックする
- メッセージを返す
- 「あと5分だけ」とスマホを見る
ついついやってしまいますよね。
スマホなどの画面から受ける光は、夜の体内時計や眠気に影響する可能性があります。
ただし、ここで重要なのは「ブルーライトだけが悪者」という単純な話ではないことです。
動画やSNSの内容に夢中になれば、脳が覚醒してしまいます。
「あと1本だけ」と動画を見続ければ、そもそもの就寝時間も遅くなります。
つまり、
光+コンテンツへの興奮+就寝時間の遅れ
が重なって、眠りにくくなることがあります。
対策
- 寝る前はスマホを見る時間を決める
- ベッドの中ではスマホを使わない
- 通知を減らす
- 寝室にスマホを持ち込まない方法も検討する
- 夜は照明を少し暗くする
「絶対にスマホ禁止」とする必要はありません。
まずは、布団に入ってからスマホを見る習慣をなくすだけでも、かなり取り組みやすくなります。
2.「早く寝なきゃ」と頑張りすぎる
眠れない人ほど、真面目に睡眠を考えすぎてしまうことがあります。
「23時までに寝なきゃ」
「7時間は寝ないと」
「あと6時間しか寝られない」
こうやって時計を何度も確認していませんか?
実は、この「眠らなければ」というプレッシャーそのものが、眠りを邪魔することがあります。
こんな状態になっていたら要注意
- 時計を何度も確認する
- 眠れないことにイライラする
- 「明日は絶対に眠い」と考える
- ベッドの中で長時間粘る
- 寝ようとするほど頭が冴える
睡眠は、電気のスイッチのように「今から寝ます」と切り替えられるものではありません。
眠気が十分に高まっていない状態で布団に入れば、眠れないのは当然です。
さらに、「眠れない場所」としてベッドを認識するようになると、布団に入っただけで緊張することもあります。
そこで不眠症の治療では「刺激制御」という方法が使われます。
基本は、
眠くなってから布団に入る。
眠れない状態が続くなら、一度布団を出る。
眠気が戻ったら再び布団に入る。
という考え方です。
AASMでも、刺激制御は慢性不眠症に対する行動療法の一つとして推奨されています。
3.「休日だから」と夜更かしする
「明日は休みだから、今日は夜更かししても大丈夫」
これもよくあります。
平日は23時に寝ているのに、休日になると1時、2時まで起きている。
そして翌朝は昼近くまで寝る。
一見すると、しっかり休んでいるように感じます。
しかし、この習慣を繰り返すと、平日と休日の体内時計にズレが生じることがあります。
ありがちなパターン
金曜の夜に夜更かし
↓
土曜の朝は遅く起きる
↓
土曜の夜も眠くならない
↓
日曜も遅く起きる
↓
日曜の夜に眠れない
↓
月曜の朝がつらい
いわゆる「社会的時差ボケ」に近い状態です。
もちろん、休日に少し長く眠ること自体が悪いわけではありません。
平日に睡眠不足があるなら、休日に睡眠を補うことはあります。
問題なのは、寝る時間・起きる時間が毎回大きく変わることです。
休日でも起床時間を大幅にずらさない。
これだけでも、睡眠リズムはかなり整えやすくなります。
4.夜遅くのカフェイン・お酒・食事
「コーヒーを飲んでも眠れるから大丈夫」
と思っている人もいるかもしれません。
しかし、カフェインは眠気に影響するため、夕方以降の摂取には注意が必要です。
夜に注意したいもの
- コーヒー
- エナジードリンク
- 紅茶
- 緑茶
- チョコレートなどカフェインを含む食品
- 夜遅くの大量の食事
- 就寝前の飲酒
特にお酒は少し複雑です。
飲むと眠くなるので「お酒を飲めば眠れる」と感じることがあります。
でも、眠気が出ることと、質の良い睡眠がとれることは同じではありません。
飲酒後は睡眠の構造が変化したり、夜中に目が覚めやすくなったりすることがあります。
「寝酒」は睡眠対策として習慣化しないほうがよいでしょう。
また、寝る直前に大量に食べると、胃の不快感などで眠りにくくなることもあります。
夕食が遅くなった日は、量を調整するなど、胃腸にも負担をかけすぎない工夫が大切です。
5.眠れないときに布団の中で粘る
最後は、意外と重要なポイントです。
「眠れないけど、そのうち眠くなるだろう」
と、布団の中で1時間、2時間と粘ってしまう。
これが習慣になると、ベッドと「覚醒している時間」が結びついてしまうことがあります。
眠れないときに試したいこと
- 眠れないことに焦らない
- 時計を何度も見ない
- 一度布団から出る
- 暗めの環境で静かに過ごす
- 眠気が戻ってから布団へ戻る
- ベッドは基本的に睡眠のために使う
これは「眠れないなら一晩中起きていよう」という意味ではありません。
ポイントは、眠れない状態とベッドを長時間セットにしないことです。
AASMの刺激制御でも、眠くなってからベッドに入り、眠れない場合はベッドを離れることが基本的な考え方になっています。
そして、ここは非常に重要です。
「寝る前のスマホをやめる」
「カフェインを控える」
「部屋を暗くする」
こうした習慣は大切ですが、慢性的な不眠症の場合、それだけで解決しないことがあります。
AASMは、慢性不眠症に対して複数の要素を組み合わせたCBT-Iを強く推奨しています。
睡眠衛生だけを単独で行う方法は、慢性不眠症の治療として十分ではないとされています。
おわりに
夜になると眠れない。
そんなとき、私たちは「もっと頑張って寝よう」と考えがちです。
でも、睡眠は頑張って作るものではありません。
むしろ、
眠気を邪魔している習慣を減らす。
身体が眠りやすい環境を作る。
そして、眠気が来るのを待つ。
このくらいの感覚のほうがうまくいくことがあります。
まずは今日から、
「布団の中でスマホを触らない」
「時計を何度も確認しない」
「眠くないのに無理やり寝ようとしない」
「夜遅くのカフェインや飲酒を見直す」
「休日も起床時間を大きく変えない」
このあたりから始めてみましょう。
全部を一度に変える必要はありません。
そして、眠れない日がたまにあるだけなら、必要以上に心配しなくても大丈夫です。
一方で、眠れない状態が長く続く、日中の眠気や疲労が強い、仕事や生活に支障が出ている場合は、「生活習慣の問題」と決めつけないことも大切です。
慢性不眠症では、CBT-Iなど専門的な治療が有効です。2026年のAASMガイドラインでも、慢性不眠症に対する治療選択について、CBT-Iを中心とした行動・心理的アプローチが重要な位置づけになっています。
眠れない夜に必要なのは、無理に眠ろうとすることではありません。
「眠れるように頑張る」から「眠れる条件を整える」へ。
この発想に変えるだけでも、夜の過ごし方は少し変わってくるはずです。
これを機に保険の見直しはいかがでしょうか?
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました
参考文献
- Edinger JD, Arnedt JT, Bertisch SM, et al. Behavioral and Psychological Treatments for Chronic Insomnia Disorder in Adults: An American Academy of Sleep Medicine Clinical Practice Guideline. Journal of Clinical Sleep Medicine. 2021;17(2):255-262.
- World Sleep Society International Guidelines Committee. World Sleep Society international sleep medicine guidelines position statement endorsement of behavioral and psychological treatments for chronic insomnia disorder in adults. Sleep. 2023.
- American Academy of Sleep Medicine. Combination Treatment for Chronic Insomnia Disorder in Adults: An American Academy of Sleep Medicine Clinical Practice Guideline. Sleep. 2026.
