今回は肩こりと心臓の関係について説明していきます。
心リハ指導士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
はじめに
肩こりは多くの人が経験する一般的な症状ですが、時には重大な心臓疾患のサインである可能性もあります。
特に、左肩の痛みや違和感が心臓からの警告であることがあるため、注意が必要です。
本記事では、肩こりと心臓疾患の関係について、最新の研究や文献を基に詳しく解説します。
1. 肩こりと心臓疾患の関連性
心臓疾患が肩の痛みとして現れることがあります。
これは「関連痛」と呼ばれ、心臓の異常が肩や背中に痛みを引き起こす現象です。
以下の点が挙げられます:
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狭心症や心筋梗塞の症状としての肩の痛み:心臓の血流が不足すると、左肩や左腕に痛みが放散することがあります。
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心筋炎による肩の痛み:心筋の炎症が神経を刺激し、肩や背中に痛みを感じることがあります。
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急性大動脈解離の症状としての肩の痛み:突然の激しい胸痛が肩や背中に放散することがあります。
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非典型的な心臓疾患の症状:胸の痛みがなく、肩や背中の痛みだけが現れる場合もあります。
2. 心臓疾患による肩の痛みの特徴
心臓疾患が原因の肩の痛みには、以下のような特徴があります:
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左肩や左腕に限定される痛み:特に左側に痛みが集中することが多いです。
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締め付けられるような痛み:圧迫感や重苦しさを伴うことがあります。
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運動やストレスで悪化:身体活動や精神的緊張が痛みを誘発することがあります。
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安静時にも持続する痛み:休息しても痛みが続く場合は注意が必要です。
3. 一般的な肩こりとの違い
一般的な肩こりと心臓疾患による肩の痛みは、以下の点で異なります:
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原因:一般的な肩こりは筋肉の緊張や姿勢の悪さが原因ですが、心臓疾患による痛みは内臓の異常が原因です。
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痛みの性質:一般的な肩こりは鈍い痛みやこり感が特徴ですが、心臓疾患の場合は鋭い痛みや圧迫感があります。
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痛みの持続時間:一般的な肩こりは時間とともに軽減することが多いですが、心臓疾患による痛みは持続することがあります。
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関連症状:心臓疾患の場合、息切れや冷や汗、吐き気などの症状を伴うことがあります。
おわりに
肩の痛みが単なる肩こりではなく、心臓からの警告である可能性もあります。
特に、左肩の痛みや圧迫感が持続する場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。
心臓疾患は早期発見・早期治療が鍵となります。
日頃から健康管理に努め、異変を感じたらすぐに専門医の診察を受けましょう。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました
参考文献
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東北大学大学院 安田聡教授「胸痛だけではない~肩や歯でも狭心症のサイン」 時事メディカル
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神栖メディカルクリニック「心筋炎で首や背中、肩が痛くなる?」 神栖メディカルクリニック |
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J-STAGE「いわゆる心臓神経症患者における胸背部過敏点の臨床的意義の検討」 J-STAGE