今回は、俺だって疲れている…そう言えない男性たちへについて説明していきます。
医療従事者の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
目次
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はじめに
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男性が「疲れている」と言えない本当の理由
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育児期の男性に起きる“静かなストレス”の正体
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なぜ男性は限界になるまで頑張ってしまうのか
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男性が今日からできる“疲れの伝え方”
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パートナーと関係を崩さず共有する方法
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おわりに
はじめに
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疲れを言えず抱え込む男性は多い
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“弱音=悪いこと”という思い込みが根強い
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異なる負担がある夫婦は誤解しやすい
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男性の疲れにも科学的根拠がある
育児期の男性の多くは、「俺だって疲れている」と思いながらも、それを言えずに胸の奥にしまい込んでいます。
実際、日本の男性育児者の約60%が「疲れを言えない」と回答したという調査もあります。
しかし、これは個人の性格の問題ではありません。
社会的背景・脳とホルモンの変化・文化的価値観の積み重ね。
これらが複合的に作用して、「男性が疲れを言えない構造」をつくっています。
この記事では、科学的知見と心理学、そして独自分析を交えて、そんな男性たちの“言えない疲れ”に寄り添い、少しでも心が軽くなるヒントをお届けします。
1. 男性が「疲れている」と言えない本当の理由
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「弱音=だめ」という価値観
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家庭内での役割期待の違い
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言語化能力の性差(傾向)
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男性ホルモンの影響
本文
男性が疲れを言えないのは、単に「プライドが高いから」ではありません。
研究によれば、男性はストレス状況で“Fight or Flight(戦うか逃げるか)”反応が強く出る傾向があり、葛藤を言語化するよりも、まず問題の解決を優先しようとします。
つまり、「疲れた」と言うことが“解決にならない行為”に見えてしまうのです。
さらに、男性ホルモンであるテストステロンは「弱さの表明」を抑制することも知られており、脳科学的にも自己開示が苦手になりやすいと示唆されています。
加えて、夫婦間では「言わなくても察してほしい」派と「言われないとわからない」派のずれが起きやすく、これが疲労の共有を難しくしてしまう原因になっています。
2. 育児期の男性に起きる“静かなストレス”の正体
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睡眠の質の低下
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ホルモンバランスの変化
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社会的役割の圧迫
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疲労の蓄積に気づきにくい
本文
実は、育児に関わる男性のホルモンは変化します。
最新の研究では、父親になるとテストステロンが緩やかに低下することが確認されており、これは育児への適応を促す自然な変化です。
しかし同時に、睡眠不足・夜泣き対応・仕事との両立により、慢性的ストレスが蓄積しやすくなります。
興味深いのは、男性は疲労の“主観的評価”が女性よりも低い傾向があること。
つまり、疲れているのに「まだいける」と誤認しやすい。
この構造が、男性の“静かなストレス”を深刻化させていくのです。
3. なぜ男性は限界になるまで頑張ってしまうのか
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「家庭で役に立ちたい」という本音
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成果を重視する思考
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罪悪感と競争心
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男性特有の“補正バイアス”
本文
男性の多くは、育児への参加が増えるほど「役に立ちたい」という気持ちを強く抱きます。
しかし、その一方で「中途半端だと思われたくない」というプレッシャーも大きくなります。
特に日本では、“父親=仕事が第一”という価値観がまだ色濃く残っています。
そのため、仕事をセーブすると罪悪感、育児をセーブすると無力感…
どちらを選んでも心のどこかに「負けた気持ち」が残るのです。
また、男性は「やればできるはず」と自分に期待をかける心理バイアスが強く、結果として限界まで頑張りすぎてしまいます。
4. 男性が今日からできる“疲れの伝え方”
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事実→感情→お願い の順で
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「相手を責めない言い方」にする
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一度に全部伝えない
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“短い言葉”から始める
本文
疲れを伝えるのが苦手な男性でも、ポイントを押さえればスムーズに共有できるようになります。
特に使いやすいのが、「事実 → 感情 → お願い」 の順番。
例)
「最近、帰宅が遅くなっていて(事実)、正直ちょっとしんどくなってきた(感情)。
だから、週に1回だけでも休める時間をつくりたいんだ(お願い)。」
この順に話すことで、責める印象を与えず、相手にも届きやすい言葉になります。
また、一度に話そうとしなくてOK。
“今日はちょっと疲れてる”この短い一言を言えるだけでも、大きな一歩です。
5. パートナーと関係を崩さず共有する方法
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タイミングを合わせる
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相手の言葉を繰り返す
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「結論」より「理解」を優先
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休息の価値を共有する
本文
疲れを伝えるときにもっとも大切なのは、“相手の状態とタイミング”を尊重すること。
育児中は、パートナーも余裕がない時期です。
お互いにヘトヘトの状態で “どちらの方が大変か勝負” になってしまうと、対話はうまくいきません。
おすすめなのは、相手の言葉をワンクッション置いて繰り返すこと。
例)
「最近きついんだよね」
→「そうなんだ、きついんだね」
この繰り返しだけで、相手は“理解されている”と感じやすくなります。
さらに、夫婦で「休息は育児の一部」という共通認識を持つと、お互いに無理のない関係が築かれやすくなります。
おわりに
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男性の疲れは“甘え”ではない
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科学的にも裏付けのある現象
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夫婦が支え合うことで家庭全体が安定
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まずは短い一言からで大丈夫
「俺だって疲れている。」
これは、誰もが抱いていい、ごく自然な気持ちです。
男性が疲れを口にすることは、決して弱さではありません。
むしろ、自分と家族を守るための大切な行動です。
この記事が、あなたの心の重さをほんの少しでも軽くできたなら嬉しく思います。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
参考文献
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Kuo PX, Saini EK, et al. “Parenthood and hormonal changes in men.” Journal of Family Psychology, 2020.
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Gettler LT. “Becoming Dads: Hormonal Changes in Fatherhood.” Trends in Endocrinology & Metabolism, 2022.
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厚生労働省「父親の育児参加とストレス研究」(https://www.mhlw.go.jp/)
