今回は急性期病棟の役割について説明していきます。
筆者の急性期病棟での勤務していた経験をもとに書いていますので、是非参考にしてみて下さい！
はじめに
急性期病棟は、病院において患者が最も緊急かつ重要な治療を必要とする段階でのケアを提供する部門です。
主に、手術直後や急性疾患の発症後、事故や外傷に遭った患者が入院する場所であり、迅速かつ適切な医療が求められます。
この病棟では、医師や看護師、リハビリスタッフなど、さまざまな専門職が協力しながら治療にあたります。
今回は、
- 急性期病棟の役割と機能
- 患者への総合的なケア
- チーム医療の重要性
をもとに、医療従事者として急性期病棟の役割について詳しく解説し、その重要性や機能について理解を深めていきます。
1. 急性期病棟の役割と機能
急性期病棟の主な役割は、患者が病気や怪我によって生命の危機に直面している状態から回復するための初期治療を提供することです。
この段階では、迅速な診断と治療が最優先され、専門的な医療機器や技術が必要とされます。急性期病棟の特徴として、以下の点が挙げられます。
- 緊急対応能力の高さ
急性期病棟では、患者が生命の危機に瀕している状態で入院してくることが多いため、即座に対応できる医療体制が整えられています。例えば、心臓発作や脳卒中といった緊急事態に対して、迅速に救命措置を講じることが求められます。医療スタッフは、24時間体制で患者の状態を監視し、必要に応じて迅速に対応できる準備が常にされています。また、手術後の急性期管理も重要な役割であり、合併症の予防や早期発見が求められます。 - 専門的な医療技術と機器の活用
急性期病棟では、CTスキャンやMRI、心電図モニター、人工呼吸器など、高度な医療機器が常に稼働しています。これらの機器を使いこなすことにより、正確な診断と治療が可能になります。また、医師だけでなく、看護師やリハビリスタッフも高度な技術を駆使して患者のケアにあたるため、全員が専門的な知識と技術を持ち合わせていることが求められます。
2. 患者への総合的なケア
急性期病棟では、単に疾患や外傷の治療を行うだけでなく、患者の全体的なケアも重要な役割を果たします。
ここでは、患者の身体的な治療に加えて、心理的・社会的なサポートも行われます。
- 身体的ケア
患者の状態に応じて、適切な治療を施すことはもちろん、術後や治療後のケアも欠かせません。例えば、ベッド上での体位変換や、褥瘡（じょくそう）予防、栄養管理など、患者の状態を悪化させないためのケアが求められます。また、リハビリテーションも重要で、手術や治療後の早期回復を目指し、理学療法士や作業療法士が関わりながら、患者の機能回復をサポートします。 - 心理的ケア
急性期の患者は、身体的な痛みや不安、恐怖を感じることが多く、精神的なサポートが非常に重要です。看護師やカウンセラーが、患者やその家族とコミュニケーションをとり、安心感を提供することが求められます。また、患者が治療に前向きに取り組めるよう、医療スタッフ全体で協力して精神的な支援を行うことが重要です。例えば、術後の回復過程で生じる不安やストレスに対して、適切なカウンセリングやリラクゼーション法を提案することが考えられます。
3. チーム医療の重要性
急性期病棟での医療は、チーム医療が重要な鍵となります。
医師、看護師、リハビリスタッフ、薬剤師、栄養士など、多職種が協力して患者の治療にあたることで、総合的なケアが可能となります。
- 医師と看護師の連携
医師と看護師は、患者の治療計画を立てる上で密接に連携します。医師が診断と治療方針を決定し、看護師がそれを実行に移す際に、患者の状態変化を迅速に報告し、必要に応じて治療計画を調整します。この密な連携が、急性期病棟での迅速かつ適切な医療を可能にしています。 - 他職種との連携
急性期病棟では、医師や看護師だけでなく、リハビリスタッフや薬剤師、栄養士も重要な役割を果たします。リハビリスタッフは、患者の早期回復を目指し、術後の運動機能の回復をサポートします。薬剤師は、投薬管理や薬の副作用の監視を行い、患者の治療効果を最大限に引き出します。栄養士は、患者の栄養状態を管理し、適切な食事プランを提供することで、回復を促進します。これらの職種が一丸となって協力することで、患者に対して最善の医療を提供できるのです。
おわりに
急性期病棟は、患者が最も高度な医療を必要とする段階での治療とケアを提供する、非常に重要な役割を担っています。
この病棟での医療は、単なる治療にとどまらず、患者の身体的・精神的な回復をサポートする総合的なケアが求められます。
また、多職種が連携し、チーム医療を実践することで、患者に対して最適な医療を提供できる体制が整っています。
急性期病棟の医療従事者は、日々変化する患者の状態に対応しながら、迅速かつ的確な治療を行い、患者の命を守る使命を果たしています。
このような役割を理解することで、急性期病棟の重要性を再認識し、医療現場での取り組みの質をさらに高めていくことが期待されます。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
