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その息切れ、放置して大丈夫?心リハ指導士が教える早期のサイン

今回は、心臓と息切れについて説明していきます

心リハ指導士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!

はじめに

日常のちょっとした階段の上り下りや、洗濯物を干したあと、あるいは朝の通勤時――そんな何気ない場面で「息切れ」を感じることはありませんか?

「少し疲れているだけだろう」「年齢のせいかもしれない」と見過ごしがちな息切れですが、実は心臓に関わる深刻な病気のサインであることも珍しくありません。

特に中高年層では、慢性的な心不全や冠動脈疾患の前兆として現れるケースがあり、早期に気づくことで重症化を防ぐことが可能です。

心臓リハビリテーション指導士は、そうした症状の早期発見や予防、生活指導の専門家です。

本記事では、息切れが示す「早期サイン」について、最新の医学的知見を交えながら解説し、日常生活でできる予防策までを丁寧に紹介していきます。


1. 息切れの種類とその特徴

  • 労作時の息切れ
    階段の昇降、掃除など軽い運動でも息切れを感じる。

  • 安静時の息切れ
    横になっているだけ、座っているだけで息苦しくなる。

  • 夜間の呼吸困難(PND)
    就寝中に息苦しさで目が覚め、座ると楽になる特徴がある。

  • 慢性的な呼吸困難
    継続的に息苦しさを感じ、活動範囲が自然と狭くなる。

これらは心不全の進行初期に見られやすい兆候で、放置すると急性増悪を引き起こす可能性があります。


2. 心不全のサインを見逃すな

  • 突然の体重増加
    1週間以内に2〜3kg増えた場合、体内の水分貯留の可能性がある。

  • 足のむくみ
    特にくるぶしやふくらはぎが腫れ、押すと戻らない圧痕が残る。

  • 倦怠感や食欲不振
    全身のだるさや胃腸の不調が継続するのは、循環不全の影響。

  • 軽い運動で動悸や不整脈
    階段数段でも鼓動が乱れるのは心機能の低下を示唆する。

これらが複合して現れたときは、必ず循環器専門医の診察を受けましょう。


3. 心臓リハビリテーションができること

  • 有酸素運動で心機能改善
    歩行・自転車・トレッドミルなど軽い運動を個別指導のもとで実施。

  • セルフモニタリング指導
    体重や血圧、脈拍の記録を習慣化することで悪化を早期に発見。

  • 栄養と生活リズムの再構築
    減塩・高タンパクの食事、規則的な睡眠が心機能を保つ鍵となる。

  • 不安への心理的ケア
    心疾患を抱える方の「再発不安」に対応するカウンセリングも提供。

心リハは、再発・再入院を防ぎ、生活の質(QOL)を向上させる科学的に裏付けられた医療サービスです。


おわりに

「ちょっと息苦しいかも」と感じたとき、その症状を「年のせい」と簡単に片付けてしまっていませんか?

息切れは、心臓があなたに送る“注意のサイン”かもしれません。

特に中高年層では、軽視されがちな呼吸の変化や運動時の違和感が、後に心不全や冠動脈疾患の発見に繋がることもあります。

心臓リハビリテーションは、病気の再発を防ぎ、生活を取り戻すための重要なツールです。

心臓の健康を守るには、症状を放置せず、早期に行動を起こすことが最大の予防策となります。

日々の生活の中での小さな変化を見逃さず、息切れを感じたら専門家に相談しましょう。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました


参考文献

  1. 日本循環器学会. 心不全診療ガイドライン(2021改訂)

  2. Yancy, C.W., et al. “2017 ACC/AHA/HFSA Focused Update of the 2013 Heart Failure Guideline.” Journal of the American College of Cardiology.

  3. Ponikowski, P. et al. “Heart failure: preventing disease and death worldwide.” European Heart Journal, 2016.

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