今回は、血圧が高い人のNG習慣TOP5について説明していきます
心リハ指導士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
はじめに
高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれ、自覚症状がないまま心血管・脳血管へのダメージが進行します。
WHOによれば、30–79歳の約12.8億人が罹患し、その多くが未治療または未管理です
心リハ指導士として、臨床エビデンスに基づき「絶対にやってはいけない習慣TOP5」を厳選しました。
1. 塩分過多・高ナトリウム摂取 🚫
⚠ NG習慣
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食卓塩や漬け物、スープに常習的に多量の塩を使う
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加工食品・スナック・外食中心の食生活
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塩分代替品(岩塩・ピンクソルト等)の過信
✅ エビデンス&対策
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DASH-Sodium試験では、1,500 mg/日以下の食塩制限で血圧が大幅低下(収縮期‑11.5 mmHg)したという臨床結果あり
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WHO/日本高血圧学会ともに、1日6 g未満の摂取を推奨。
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家庭内での「見えない塩分」対策として、栄養ラベル確認・ノンソルト調理・だしやハーブで風味づけを推奨。
2. 運動不足・座りすぎ
⚠ NG習慣
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日常的な運動ナシ、オフィスワーク中心
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エスカレーター・エレベーター優先使用
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座りながらのスマホ・テレビ視聴がメイン
✅ エビデンス&対策
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有酸素運動(ウォーキングなど)を週150分以上行うと、平均‑5〜12 mmHgの血圧低下効果が確認
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近年の研究では、衝撃を伴う適度な「間質液の流れ」を意識した運動が、高血圧改善に効果的との報告も
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スマホやTVを観ながらの「ながら運動」(ストレッチ、ながらスクワット)も有効。
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心リハでは、患者ごとに歩く強度・頻度・衝撃要素(たとえば足踏み)を調整したリハビリ運動プログラムを作成。
3. 飲酒・喫煙
⚠ NG習慣
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アルコールを日常的に飲む(特に深酒や高頻度)
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タバコ喫煙、電子タバコ含む受動喫煙
✅ エビデンス&対策
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過度の飲酒は収縮期/拡張期血圧とも上昇させ、肥満・肝臓問題からの負荷も大きい。
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喫煙はニコチンによる交感神経刺激および血管収縮を介して、日常的な血圧上昇の「元凶」。さらに、24時間血圧モニター研究では、喫煙者の血圧リズムが乱れると報告されている。
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心リハでは禁煙支援セッション、ストレス対処法、サポートグループを設ける。
4. 睡眠障害・ストレス蓄積
⚠ NG習慣
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夜更かし・不規則な就寝リズム
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睡眠不足または質の低下(中断・浅い眠り)
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仕事・人間関係による慢性的ストレス
✅ エビデンス&対策
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睡眠習慣が乱れると、動脈硬化や高血圧リスクが増加。
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マインドフルネスや瞑想、ヨガは交感神経抑制・ストレス緩和となり、血圧を平均‑4〜6 mmHg低下とのメタ分析あり。
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心リハ実践では、睡眠日誌による客観評価と、睡眠衛生指導を組み合わせたプログラム導入が効果的。
5. ジャンクフード・過剰カフェイン摂取
⚠ NG習慣
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清涼飲料、加工食品、スナック、揚げ物、多糖類の多摂取
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エナジードリンク・インスタントコーヒー・緑茶などの過剰カフェイン
✅ エビデンス&対策
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加工食品に含まれる隠れ塩分・飽和脂肪・糖質は血圧上昇だけでなく肥満・糖代謝異常につながる
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カフェイン習慣は短期的に血圧を急激に上げるほか、長期的には高血圧リスク増加へ。
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心リハでは「清涼飲料禁止チャレンジ」「週1回のリセット食」を推奨し、カフェインは1日200 mgまで(コーヒー約2杯)に制限。
5つのNG習慣を連鎖で断つための“トリガーケア”
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センサー活用:BP・睡眠・運動をウェアラブルで記録し、変動を可視化
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即時フィードバック:NG習慣発生時にアプリで通知
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行動連鎖の切断:夜間スマホ→ストレッチ、飲酒→水に切替、カフェイン→ハーブティ
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環境整備:台所にノンソルト調味料、寝室にスマホ“見えない化”、家族巻き込みによる共同習慣づくり
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正の報酬設計:1週間継続で“0 days streak”更新、達成感を可視化し内発的動機づけへ導く
このようなケア併用で、NG習慣の連鎖が自動的に解消され、継続性が高まります。
おわりに
高血圧対策は「習慣との闘い」です。
今回紹介したNG行為を一つずつ丁寧に排除し、科学的根拠に基づいた改善を積み重ねれば、❝薬を抑える・薬に頼らずとも良くなる❞可能性は高まります。
心リハは、単なる運動指導に留まらず、「生活の質」「脳・心血管予防」までをカバーする統合プログラムです。
あなたの血管を守る“生活の転機”への第一歩として、ぜひ今日から取り組んでください。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました
参考文献
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Sacks FM, et al. „Effects on blood pressure of reduced dietary sodium and the Dietary Approaches to Stop Hypertension (DASH) diet.“ N Engl J Med. 2001;344(1):3‑10.
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Cornelissen VA, Smart NA. „Exercise training for blood pressure: a systematic review and meta-analysis.“ J Am Heart Assoc. 2013‑02‑01.
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WHO. „Hypertension“ (wiki) – 最新ガイドライン,2025年 sugamo-sengoku-hifu.jp+1omiyaever.jp+1eatingwell.com+1durhamnephrology.com+1mayoclinic.org+1en.wikipedia.org+1