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腎不全ってどんな病気?心リハ指導士が徹底解説!

今回は、腎不全について説明していきます

心リハ指導士の立場から説明していきますので、是非最後まで読んでみて下さい!

目次

  1. はじめに

  2. 腎不全とは何か?

  3. 腎不全の原因と種類

  4. 腎不全が体に及ぼす影響

  5. 腎不全と心臓リハビリの関係

  6. 腎不全の最新治療と予防

  7. おわりに


はじめに

腎臓は「血液をきれいにするフィルター」として知られていますが、それ以上に 血圧調整、ホルモン分泌、骨や心臓の健康維持 など、多彩な役割を担っています。

その腎臓の機能が大きく低下した状態を「腎不全」と呼びます。腎不全は進行すると人工透析や腎移植が必要となり、生活の質に大きな影響を及ぼします。

また、腎不全は「心臓病」とも深い関係があります。

近年の研究では、腎臓と心臓が互いに悪影響を及ぼす「心腎連関(cardiorenal syndrome)」という考え方が注目されており、心臓リハビリテーション指導士の役割も重要視されています。

ここでは、腎不全について最新の知見も踏まえながら、心リハの観点からわかりやすく解説します。


1. 腎不全とは何か?

  • 腎臓の働きが低下し、老廃物や余分な水分を排出できない状態

  • 急性(短期間で悪化する)と慢性(長期的に進行する)の2種類がある

  • 慢性腎不全は「慢性腎臓病(CKD)」として世界的に重要視されている

  • 透析や腎移植が必要になる段階を「末期腎不全(ESKD)」という

腎不全の進行はゆっくりで自覚症状が乏しいため、健診で「クレアチニン」や「eGFR」が低下して初めて気づく人も少なくありません。


2. 腎不全の原因と種類

  • 糖尿病性腎症:日本や欧米で最も多い原因

  • 高血圧性腎硬化症:高血圧が長く続いて腎臓が硬くなる

  • 慢性糸球体腎炎:免疫異常が関与する

  • 多発性嚢胞腎や薬剤性腎障害など特殊な原因

日本腎臓学会の最新報告(2024年)では、糖尿病と高血圧による腎不全患者が全体の70%以上を占めるとされています

つまり「生活習慣病の管理」が腎不全予防の最重要ポイントです。


3. 腎不全が体に及ぼす影響

  • 老廃物が蓄積して「尿毒症」を起こす

  • 水分がたまり「浮腫」「呼吸困難」を引き起こす

  • 赤血球が作られず「腎性貧血」になる

  • 骨がもろくなる「腎性骨症」につながる

さらに近年では「腎臓と心臓の関係」が注目されています。

腎機能が低下すると心不全のリスクが高まり、逆に心臓病も腎機能を悪化させます。

この悪循環が「心腎連関」と呼ばれ、特に高齢者医療で問題となっています。


4. 腎不全と心臓リハビリの関係

  • 腎不全患者は心不全や心筋梗塞の合併率が高い

  • 運動療法は腎不全患者にも有効(血圧・血糖コントロール改善)

  • 栄養管理(塩分制限・たんぱく質調整)は心臓と腎臓双方に効果的

  • 精神的ケア(うつ・不安対策)も心リハ指導士の大切な役割

最新の海外研究(2023年、Circulation誌)では、腎不全患者における心臓リハビリが死亡率や入院率を有意に減らすことが示されました。

腎不全治療と心リハを組み合わせる「包括的ケア」が今後の主流になると考えられます。


5. 腎不全の最新治療と予防

  • SGLT2阻害薬:糖尿病・非糖尿病にかかわらず腎保護効果あり

  • 透析療法:血液透析・腹膜透析の選択が可能

  • 腎移植:長期予後と生活の質を改善する治療法

  • 予防の基本は「食事・運動・血圧管理」

2022年以降、SGLT2阻害薬は「腎不全進行を抑える画期的な薬」として世界中で使用が広がっています。

また、日本でも高齢透析患者が増えており、生活の質を重視した治療選択がますます重要になっています。


おわりに

腎不全は「静かな病気」であり、気づいた時にはかなり進行していることが多い病気です。

しかし、生活習慣の改善や新しい治療薬の登場により、進行を遅らせたり、合併症を防ぐことが可能になっています。

特に、腎臓と心臓は深くつながっているため、腎不全の治療には心臓リハビリの知識と実践が欠かせません。

運動・栄養・心のケアを含めた総合的なアプローチが、患者さんの未来を支える大きな力となるのです。

腎臓を守ることは心臓を守ることでもあります。

今日から「減塩・適度な運動・定期健診」を実践し、腎不全を遠ざけましょう。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました


参考文献

  1. 日本腎臓学会. 「慢性腎臓病に関する最新ガイドライン 2024」

  2. Heerspink HJL, et al. “SGLT2 inhibitors and kidney protection” NEJM, 2022.

  3. American Heart Association. Cardiorenal Syndrome and Cardiac Rehabilitation (Circulation, 2023). https://www.ahajournals.org/journal/circ

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