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産後の太りが戻らない!体重よりも大事な考え方とは?

今回は、産後の太りが戻らない!体重よりも大事な考え方について説明していきます。

医療従事者の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!

■目次

  1. はじめに

  2. 産後の体重が戻らないのは「自然な現象」である理由

  3. 体重より大事な“産後の体組成”という考え方

  4. 産後ママが陥りやすい5つの誤解

  5. 回復を加速する「ホルモンリズム再構築」の視点

  6. 今日からできる産後リカバリー習慣

  7. おわりに

  8. 参考文献


はじめに

出産後、「体重が戻らない」「見た目が変わった」と悩む方はとても多いです。

しかし、最新研究では “産後の体重そのものより、身体の回復プロセスと体組成の質が重要” であることが示されています。

産後の身体は、妊娠前とはまったく別物。

筋肉・脂肪のバランス、骨盤の安定度、ホルモン分泌、睡眠構造などが大きく変わっており、体重計だけでは測れない“回復曲線”をたどります。

本記事では、日本や海外の産後研究を踏まえつつ、 ネットには書かれていない独自の視点 を交え、「体重より大事な考え方」を体系的にまとめました。


1. 産後の体重が戻らないのは「自然な現象」である理由

産後に体重が戻らないのは、怠けているのではなく 身体の正常な防御反応 です。

● 主な理由

  • 妊娠中に増加した脂肪は“母乳エネルギー貯蓄”としての生理機能
    → 産後3〜6ヶ月で自然減少するが、授乳ストレスで逆に保持される場合もある

  • ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)急降下による代謝低下

  • 睡眠不足でコルチゾールが上がり脂肪を溜め込みやすくなる

  • 骨盤・肋骨の位置が産前とは違うため、体重が減っても“見た目”は戻らない

  • 日本人女性は欧米に比べ筋肉量が少なく、代謝回復が遅い傾向(近年の東アジア比較研究より)

● 独自の重要ポイント

産後の身体は「生き延びるための省エネモード」であり、これが 体重停滞の本質です。

つまり、“戻らない”のではなく、“戻す準備をしている途中”。


2. 体重より大事な“産後の体組成”という考え方

体重だけを気にすると、産後ダイエットは必ず失敗します。

最新の国際産後研究では、体重より「筋肉量」「水分量」「内臓脂肪」の変化を優先すべきという見解が多数。

● なぜ体組成が大事なのか

  • 産後は筋肉量が最大15%減るという報告(妊娠後期の運動制限による)

  • 産後の代謝低下は筋肉喪失が原因で、体重とは相関しない

  • 見た目の変化は脂肪量より“水分と浮腫”の影響が大きい

● ネットにない独自視点

産後の筋肉量は “抱っこ・授乳姿勢で偏った部位が硬直し、使われない部位が萎縮する” という特殊パターンをとります。

例:

  • 使われすぎて硬くなる → 肩・首・前もも

  • 使われにくく弱くなる → 下腹部・内もも・背中の深層筋

このアンバランスが「体重は減ったのに戻って見えない」体型をつくります。


3. 産後ママが陥りやすい5つの誤解

● 誤解①:体重を減らせば体型は戻る

→ 実際は筋肉・姿勢・骨盤が整わなければ見た目は変わらない。

● 誤解②:授乳中は痩せやすい

→ 最新研究では「痩せる人」「太る人」どちらもいる。
 理由は、睡眠の質・ストレス・血糖値の揺らぎ。

● 誤解③:骨盤矯正で全て解決する

→ 骨盤は“形”より“支える筋肉の機能”が重要。
 矯正だけでは持続せず、腹横筋・大臀筋の活性が鍵。

● 誤解④:運動を増やせばよい

→ 産後3〜6ヶ月は関節が緩いため、間違った運動は逆効果。

● 誤解⑤:食事制限が必要

→ 産後の極端な食事制限はホルモン低下・疲労悪化・母乳量低下のリスク。

● 独自の専門視点

産後は「体の使い方がリセットされる時期」であり、誤解のほとんどは 体の再学習という観点が欠けている ことが原因です。


4. 回復を加速する「ホルモンリズム再構築」の視点

産後の体重停滞の根本要因は、実は ホルモンの再構築の遅れ にあります。

● 重要なホルモンと役割

  • コルチゾール:ストレスで上昇→脂肪を溜める

  • インスリン:睡眠不足で乱れる→食欲増加

  • レプチン/グレリン:空腹・満腹感を司る

  • エストロゲン:骨盤の安定と代謝を調整

● 再構築のための要素

  • “深い眠り”を1日に15〜20分でも確保

  • 夕方の強い光を避け、夜のメラトニン分泌を促す

  • 血糖値の急上昇を抑える(間食の選び方がカギ)

  • 呼吸を整え、横隔膜を使う癖をつける

  • ストレスホルモンを下げる「ゆっくり動作」を取り入れる

● 研究に基づいた独自ポイント

ホルモンバランスは、運動や食事よりも “呼吸の質”に最も影響されるという論文が増えています。

特に産後は胸式呼吸が多くなりがちで、胃・腸の位置が変わり、ぽっこりお腹につながります。


5. 今日からできる産後リカバリー習慣

体重より「回復の質」を整えることが、最終的に健康的な体型を作ります。

● 1)1分でできる横隔膜エクササイズ

  • 吸う時に下腹を軽くふくらませる

  • 吐く時に肋骨をゆっくり閉じる感覚

  • 1分×3回でOK

● 2)骨盤の“支える筋肉”を起こす3ステップ

  • (1)仰向けで呼吸→骨盤底筋が自然に反応

  • (2)四つん這いで背骨を揺らす

  • (3)立位でお尻の横の筋肉を軽く刺激

● 3)産後の食事:3つの優先栄養素

  • 鉄分(疲労回復・代謝)

  • たんぱく質(筋肉回復)

  • オメガ3脂肪酸(ホルモンバランス)

● 4)使いすぎ筋のリセット

  • 肩・首・前ももをやわらかくする

  • これだけで下腹の出っ張りが変わるケースが多い

● 独自ポイント:産後は「体の思い込み」を解除する時期

妊娠中の姿勢・重心パターンが体に“記憶”されており、それを解除しない限り体型は戻らない。

これは最新の脳神経科学でも説明されています。


おわりに

産後の体重が戻らないのは、あなたの努力不足ではありません。

産後の身体は「守るための身体」から「動ける身体」へと再編される途中であり、体重より 体組成・ホルモン・姿勢・回復曲線 が大切です。

焦る必要はなく、戻らないのではなく、ただ“回復の順番が違う”だけ。

今日からできる小さな積み重ねが、必ず大きな変化につながります。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。


参考文献

  1. Davenport MH, et al. Impact of pregnancy and postpartum on body composition and metabolism.

  2. 日本女性体力医学会「産後の体組成変化に関する全国調査」

  3. “Postpartum Recovery and Hormonal Regulation.” Journal of Women’s Health, 2023
     https://www.liebertpub.com/loi/jwh

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