今回は、眼精疲労が続く人へ!予防と改善法について説明していきます
医療従事者の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
目次
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はじめに
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眼精疲労とは何か?「疲れ目」との決定的な違い
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なぜ眼精疲労は慢性化するのか ― 現代人特有の原因
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今日からできる眼精疲労の予防習慣(生活・環境編)
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科学的に効果が示された改善アプローチ(運動・栄養・ケア)
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それでも治らない人が見直すべき「隠れ原因」
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おわりに
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参考文献
はじめに
「目が重い」「かすむ」「夕方になると頭痛や肩こりまで出る」
このような症状が数日〜数週間以上続いている場合、それは単なる“疲れ目”ではなく眼精疲労である可能性が高いとされています。
近年、日本および海外の研究では、眼精疲労は
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目の問題
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脳疲労
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自律神経の乱れ
が複合的に絡み合った全身症状であることが明らかになってきました。
本記事では【眼精疲労が続く人へ!予防と改善法について】をテーマに、眼科医学・神経科学・労働衛生学の最新知見を統合し、**「なぜ治らないのか」「どうすれば根本から改善できるのか」**を専門家の視点で解説します。
1 眼精疲労とは何か?「疲れ目」との決定的な違い
ポイント
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眼精疲労は「休んでも回復しない」
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目だけでなく全身症状が出る
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慢性化すると生活の質が低下
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医学的には治療対象
本文
「疲れ目」は一時的な状態で、睡眠や休憩によって回復します。
一方、眼精疲労は休んでも改善せず、以下のような症状を伴うのが特徴です。
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頭痛・肩こり・吐き気
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集中力低下・イライラ
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めまい・自律神経症状
日本眼科学会の見解でも、眼精疲労は視機能の異常と精神・身体的負荷が重なった状態とされ、放置すると慢性頭痛や睡眠障害につながることが指摘されています。
2 なぜ眼精疲労は慢性化するのか ― 現代人特有の原因
ポイント
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長時間の近距離作業
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まばたき回数の減少
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自律神経の緊張
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脳の情報過多
本文
海外の視覚研究では、スマートフォンやPC作業中、人はまばたき回数が通常の約1/3まで低下することが分かっています。
これによりドライアイが進行し、角膜刺激が増えます。
さらに問題なのは、目のピント調節(毛様体筋)が長時間緊張し続けることです。
この状態が続くと、目の疲労信号が脳に蓄積し、次第に「回復しにくい疲労」へと変わります。
加えて、仕事や情報過多による精神的ストレスは交感神経を優位にし、血流を低下させ、眼精疲労を慢性化させます。
3 今日からできる眼精疲労の予防習慣(生活・環境編)
ポイント
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20-20-20ルール
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画面環境の最適化
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意識的なまばたき
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光刺激の調整
本文
予防の基本は「目を酷使しない設計」を作ることです。特に有名なのが20-20-20ルールです。
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20分作業したら
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20フィート(約6m)先を
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20秒見る
これにより毛様体筋がリセットされます。また、画面の明るさは「周囲より少し暗い」程度が理想とされ、ブルーライト対策より輝度とコントラスト調整の方が重要という研究も増えています。
4 科学的に効果が示された改善アプローチ(運動・栄養・ケア)
ポイント
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首・肩の血流改善
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眼周囲の温熱
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栄養素の最適化
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睡眠の質向上
本文
眼精疲労改善で見落とされがちなのが首・肩・背中の血流です。
眼動脈は首周辺の血流に強く影響され、軽いストレッチや肩回しだけでも症状が軽減するケースがあります。
また、蒸しタオルやホットアイマスクによる温熱療法は、国内外の臨床研究で毛様体筋の緊張緩和が確認されています。
栄養面では、
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ルテイン
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ゼアキサンチン
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DHA・EPA
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ビタミンB群
が神経・網膜機能を支えると報告されています。
5 それでも治らない人が見直すべき「隠れ原因」
ポイント
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視力矯正のズレ
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眼鏡・コンタクト不適合
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睡眠障害
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メンタルストレス
本文
慢性眼精疲労の人で多いのが、「視力は合っているはず」という思い込みです。
実際には軽度の乱視・左右差・老視の初期が負担になっていることが少なくありません。
また、睡眠時無呼吸や浅い睡眠は眼精疲労を悪化させることが報告されています。
改善しない場合は、眼科だけでなく生活全体を見直す視点が重要です。
おわりに
【眼精疲労が続く人へ!予防と改善法について】最も大切なことは、「目だけを見ない」ことです。
眼精疲労は、目 × 脳 × 自律神経 × 生活習慣のバランスが崩れたサインです。
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正しい予防で発症を防ぎ
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科学的ケアで回復力を高め
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無理を続けない設計を作る
これが、長く快適に目を使い続けるための最短ルートです。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
参考文献
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Sheppard AL, Wolffsohn JS. Digital eye strain. BMJ, 2018.
https://www.bmj.com/ -
日本眼科学会「VDT作業と眼精疲労」最新報告
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Rosenfield M. Computer vision syndrome. Optometry, 2023.
