今回は、これって普通?動悸が止まらないについて説明していきます
医療従事者の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
― 見逃してはいけない動悸の正体と、今すぐできる対処・予防 ―
目次
-
はじめに
-
動悸とは何か?「普通」と「異常」の境界線
-
動悸が止まらない主な原因と身体の仕組み
-
危険な動悸を見抜くチェックポイント
-
今すぐできる対処法と受診の目安
-
最新研究から見る予防・生活改善戦略
-
おわりに
-
参考文献
はじめに
「急にドキドキして不安になる」
「何もしていないのに心臓がバクバクする」
「夜になると動悸が止まらず眠れない」
──こうした“動悸”の悩みは、年齢や性別を問わず非常に多く、外来診療でも頻出する症状の一つです。
一方で、「これって普通なの?」「放っておいて大丈夫?」と判断がつきにくいのも動悸の特徴です。
実際、動悸の多くは命に関わらない一過性の反応ですが、なかには 不整脈・心疾患・内分泌疾患・精神疾患 など、早期対応が重要なケースも含まれます。
本記事では【これって普通?動悸が止まらない】をテーマに、
-
動悸の正体
-
危険な動悸の見分け方
-
家庭でできる対処
-
日本・海外の最新論文が示す予防策
を、専門家視点でわかりやすく、かつ実用的に解説します。
動悸とは何か?「普通」と「異常」の境界線
-
動悸=「心臓の拍動を強く・速く・不規則に感じる自覚症状」
-
医学的には“症状名”であり病名ではない
-
正常反応と病的反応が混在する
-
主観(不安)と客観(心拍数・リズム)のズレが起きやすい
本文
動悸とは、「心臓の動きを自分ではっきり感じる状態」を指します。
重要なのは、動悸=異常ではない という点です。
たとえば、
-
運動後
-
緊張・驚いたとき
-
コーヒーやエナジードリンク摂取後
こうした状況では、交感神経が働き心拍数が上がるのは生理的(正常)反応です。
しかし問題になるのは、
-
安静時にも続く
-
繰り返し起こる
-
他の症状(息切れ・めまい・胸痛)を伴う
といった場合です。
近年の循環器学の研究では、「動悸の自覚」と「実際の心電図異常」は必ずしも一致しないことが分かっており、不安・自律神経・感覚過敏も大きく関与します。
動悸が止まらない主な原因と身体の仕組み
-
自律神経の乱れ
-
不整脈(期外収縮・心房細動など)
-
ホルモン異常(甲状腺)
-
貧血・脱水
-
ストレス・パニック反応
-
薬剤・カフェインの影響
本文
① 自律神経の乱れ
現代人の動悸で最も多い原因の一つが 自律神経失調 です。
ストレス・睡眠不足・過労により交感神経が優位になると、心拍数が必要以上に上がり、「止まらない動悸」として自覚されます。
海外の研究では、慢性ストレス下では心拍変動(HRV)が低下し、動悸・不安感が増幅されることが示されています。
② 不整脈
心臓の電気信号の乱れにより、
-
ドクンと飛ぶ感じ(期外収縮)
-
速く不規則に打つ(心房細動など)
が起こります。
多くは良性ですが、持続性・頻発・失神を伴う場合は精査が必要です。
③ ホルモン・代謝異常
甲状腺ホルモンが過剰になると、心臓は常にアクセルを踏んだ状態になり、安静時でも動悸が出ます。
また、貧血では酸素不足を補うため心拍数が上がり、動悸として感じられます。
④ 心理的要因
パニック障害や強い不安状態では、「動悸 → 不安 → さらに動悸」
という悪循環が形成されます。近年の脳科学研究では、扁桃体と心拍調節中枢の相互作用が注目されています。
危険な動悸を見抜くチェックポイント
-
胸痛・圧迫感を伴う
-
息切れ・呼吸困難がある
-
めまい・失神を伴う
-
安静でも20分以上続く
-
脈が極端に不規則
-
家族歴に心疾患がある
本文
以下のような動悸は、「普通ではない可能性」 を考える必要があります。
-
動悸と同時に胸が締め付けられる
-
意識が遠のく・倒れそうになる
-
夜間に突然目が覚めるほどの動悸
-
これまでにない強さ・頻度
特に心房細動や重度の頻拍性不整脈は、脳梗塞リスクとも関連するため、早期診断が重要です。
今すぐできる対処法と受診の目安
-
姿勢を整え、深呼吸
-
カフェイン・アルコールを控える
-
水分補給
-
動悸の記録をつける
-
医療機関を受診すべきタイミング
本文
① その場でできる対処
-
楽な姿勢で座る or 横になる
-
4秒吸って、6秒吐く深呼吸
-
首・肩の力を抜く
これにより迷走神経が刺激され、心拍が落ち着くことがあります。
② 受診の目安
-
初めて強い動悸が出た
-
数日〜数週間続く
-
他症状を伴う
この場合は 内科・循環器内科 を受診しましょう。心電図や血液検査で多くは原因が明らかになります。
最新研究から見る予防・生活改善戦略
-
心拍変動を高める生活習慣
-
睡眠の質改善
-
適度な有酸素運動
-
ストレスマネジメント
-
栄養(マグネシウム・鉄・B群)
本文
近年の国際研究では、動悸の予防=自律神経の回復力を高めること と結論づけられています。
-
ウォーキングなどの軽運動
-
就寝前のスマホ制限
-
呼吸法・マインドフルネス
これらは心拍変動(HRV)を改善し、動悸の再発率を下げることが報告されています。
おわりに
「動悸が止まらない」という体験は、とても不安なものです。しかし大切なのは、
-
すべてを怖がりすぎないこと
-
かといって放置しないこと
動悸は身体からの“サイン”です。
正しく理解し、必要なときに医療を頼り、日常生活を整えることで、多くの場合コントロール可能です。
この記事が、あなたの不安を整理し、安心につながる一助になれば幸いです。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました
参考文献
-
Zimetbaum P, Josephson ME. “Evaluation of patients with palpitations.” New England Journal of Medicine.
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMcp013202 -
Task Force of the ESC. “Guidelines for the management of arrhythmias.” European Heart Journal.
-
日本循環器学会.不整脈診療ガイドライン(最新改訂版)
