今回は「原因不明のめまいと倦怠感…もしかしてこの病気かも」について説明していきます
医療従事者の立場から説明していきますので、是非最後まで読んでみて下さい!
はじめに
「なんとなくフラフラする」「立ち上がるとクラクラする」「常に体がだるい」――
このようなめまいと倦怠感が続いているのに、明確な原因がわからない…そんな経験はありませんか?
めまいや倦怠感は、単なる疲れやストレスのせいだと思われがちですが、実はさまざまな病気が隠れていることがあります。
特に慢性的に症状が続く場合は、適切な診断と治療が必要です。
今回は、
- めまいと倦怠感の原因として考えられる病気
- めまいや倦怠感を引き起こす意外な原因
- 病院に行くべきタイミングと受診する診療科
をもとに、最新の医学情報をもとに、原因不明のめまいと倦怠感が続くときに疑うべき病気について詳しく解説します。
1. めまいと倦怠感の原因として考えられる病気
めまいや倦怠感を引き起こす病気には、さまざまなものがあります。
ここでは、特に見逃されやすい疾患を紹介します。
① 自律神経失調症
自律神経が乱れると、血圧や心拍、体温調節がうまくいかず、めまいや倦怠感が生じます。
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特徴的な症状
- 立ちくらみやめまい(特に起立時)
- 倦怠感や疲労感が抜けない
- 頭痛、耳鳴り、冷え性
- 胃腸の不調(便秘・下痢)
- 不安感や動悸
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原因
- ストレスや睡眠不足
- 生活リズムの乱れ
- ホルモンバランスの変化(特に更年期)
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対策
- 規則正しい生活と適度な運動
- 深呼吸やストレッチでリラックス
- 自律神経を整える食事(ビタミンB群、マグネシウム)
② 起立性調節障害(OD)
特に10代の若者に多い病気で、血圧調整がうまくできず、立ち上がったときにめまいや倦怠感を感じるのが特徴です。
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特徴的な症状
- 朝起きられない(午前中に症状が強い)
- 立ち上がるとフラつく
- 動悸や息切れ
- 疲れやすく、集中力が続かない
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原因
- 思春期のホルモンバランスの変化
- 自律神経の発達が未熟
- 睡眠不足やストレス
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対策
- 水分・塩分を多めに摂取
- 朝食をしっかり食べる
- ゆっくり立ち上がるクセをつける
③ 鉄欠乏性貧血
鉄分が不足すると、酸素を運ぶ赤血球が減少し、脳への酸素供給が低下してめまいや倦怠感が起こります。
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特徴的な症状
- めまいや立ちくらみ
- 動悸や息切れ
- だるさや疲れやすさ
- 爪が割れやすい、髪の毛が抜けやすい
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原因
- 偏った食事(鉄分不足)
- 月経による鉄の喪失(特に女性)
- 胃腸の病気(胃炎、ピロリ菌感染など)
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対策
- 鉄分を多く含む食品(レバー、ほうれん草、赤身の肉)を摂取
- ビタミンCと一緒に摂ると吸収率アップ
2. めまいや倦怠感を引き起こす意外な原因
① 隠れ脱水(慢性的な水分不足)
- 症状:立ちくらみ、倦怠感、頭痛、口の渇き
- 対策:こまめな水分補給(1日1.5~2L)
② スマホやPCの使いすぎ(VDT症候群)
- 症状:目の疲れ、肩こり、めまい、倦怠感
- 対策:ブルーライトカット、1時間ごとに休憩を取る
③ 睡眠の質の低下(睡眠時無呼吸症候群)
- 症状:朝のめまい、日中の強い眠気、疲れやすさ
- 対策:横向きで寝る、睡眠時の検査を受ける
3. 病院に行くべきタイミングと受診する診療科
「ただの疲れだろう」と放置すると、重い病気が隠れていることもあります。
以下の症状がある場合は、早めに病院を受診しましょう。
① すぐに受診すべき症状
- 急にめまいが起こり、話しづらい・手足が動かない(脳卒中の可能性)
- 失神や意識がもうろうとする(低血糖や心臓疾患の可能性)
- 何をしていても倦怠感が続く(内分泌疾患の可能性)
② どの診療科を受診すべきか?
- 内科 → 貧血、甲状腺疾患、糖尿病などの可能性をチェック
- 耳鼻咽喉科 → 三半規管や前庭機能の異常を調べる
- 心療内科 → 自律神経失調症やストレスによる症状の相談
- 婦人科 → ホルモンバランスの乱れによるめまいの確認
おわりに
めまいや倦怠感が続くと、「ただの疲れ」と思いがちですが、放置すると深刻な病気につながることもあります。
特に2週間以上症状が続く場合や、日常生活に支障が出る場合は、早めに医師に相談しましょう。
今回紹介した病気は、いずれも適切な治療や生活習慣の見直しで改善する可能性があります。
ぜひ、日頃の体調管理に役立ててください。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
参考文献
- National Institutes of Health. “Causes of Dizziness and Fatigue.” https://www.ncbi.nlm.nih.gov
- 日本自律神経学会「自律神経の乱れとその影響」
- WHO「貧血と鉄欠乏症に関する最新のガイドライン」