今回は、肩こりは揉んでも治らない?
理学療法士が教える本当の原因と今すぐできる対策について説明していきます
理学療法士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
目次
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はじめに
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肩こりとは何か?基本と誤解
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肩こりが揉んでも治らない本当の理由
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最新研究が示す肩こりの原因メカニズム
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今すぐできるセルフケア 10選
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日常生活での予防と改善戦略
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おわりに
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参考文献
はじめに
肩こりは日本人の 約70〜80% が一度は経験すると言われる国民的症状です。
しかし、「揉めば治る」「とにかく力強くほぐせばスッキリする」という認識は、実は誤解を生みやすく、長期的には症状を悪化させる可能性すらあります。
本記事では理学療法士として、最新の国内外論文や臨床知見をもとに、「肩こりはなぜ揉んでも治らないのか」「本当の原因は何か」を丁寧に解説し、具体的な改善・予防策をお伝えします。
1. 肩こりとは何か?基本と誤解
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肩こりは「痛み/不快感」の総称で、臨床的には診断基準が一義的ではない
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一般的に首・肩・肩甲骨周辺の慢性筋緊張・鈍痛を指す
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医療的には「筋膜の感作」「神経性疼痛」「循環不足」など複合的要因
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単純に筋肉の硬さだけが原因ではない
本文:
肩こりは医学的には “症状” であり、特定の病名ではありません。
一般人の多くは「筋肉が硬いから肩こり」と理解していますが、実際は 筋膜・神経・循環系・心理社会的要因 が絡み合う複雑な現象です。
米国・英国・日本の痛み研究では、慢性疼痛は単一要因では説明できないと指摘されています
筋肉が張っているように感じても、筋硬度だけが問題とは限りません。
2. 肩こりが揉んでも治らない本当の理由
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一時的な血流改善はするが、根本原因を変えない
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強い圧刺激は神経系の防御反応を高める場合がある
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筋膜癒着・関節可動域制限には揉むだけでは効果が薄い
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体のバランス・姿勢・神経調整が重要
本文:
「揉んでも治らない」と臨床的に感じる主因は、 揉み方が対症療法に留まっている からです。
例えば強い指圧は一時的に痛みや緊張感を和らげますが、これが根本的な改善策とは言えません。
研究では、 持続的な筋緊張は局所の循環不足と酸欠→痛みセンサーの感作→筋膜の癒着という悪循環 を生みます。
ただ揉むだけでは、そもそもの循環メカニズムや神経調整を改善できないため、肩こりが戻りやすいのです。
3. 最新研究が示す肩こりの原因メカニズム
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筋膜ネットワークの変性と神経感作
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姿勢不良と肩甲帯運動の低下
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ストレス関連の自律神経機能障害
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微細循環障害と酸素供給不足
本文:
3-1. 筋膜ネットワークと神経感作
近年の研究では、筋膜の滑走不良と痛み感受性の高まりが慢性痛に関与すると報告されています
筋膜は筋肉だけでなく神経・血管も含む複合組織であり、硬さ=痛みでは説明できない複雑性があります。
3-2. 姿勢不良
現代人はスマホ首やデスクワーク姿勢が慢性化し、首・肩の筋群の連動が崩れています。
肩甲帯がうまく動かないことで局所的な負荷が増大し、筋緊張が慢性化します。
3-3. 自律神経とストレス
慢性ストレスは交感神経優位を持続させ、局所循環を低下させます。
痛み刺激はさらにストレス反応を増幅し、慢性痛ループを形成します。
3-4. 微細循環障害
毛細血管の血流が低下すると筋肉への酸素供給が不足し、乳酸蓄積や感作が進行します。
単なる揉みだけではこれを改善する力は限定的です。
4. 今すぐできるセルフケア 10選
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肩甲骨の循環を高めるゆっくり回旋
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深呼吸と胸郭拡張エクササイズ
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首と肩を連動させたストレッチ
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後頭下筋群のリリース
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スマホ首修正ポーズ
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背中の連動を促す猫→牛ストレッチ
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小円筋・棘下筋のリリース
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目の緊張を解く眼筋リラックス
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3分間のミニ整体(自分でできる関節モビライゼーション)
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1日3回のマインドフル呼吸
本文:
具体的なセルフケアでは、 循環改善+神経リセット+姿勢改善 を同時に狙うことが重要です。
肩甲骨周辺の動きを改善することで局所循環が上がり、自律神経にも良い影響を与えます。
また、小さな肩の動きは眼精疲労やストレスから来る筋緊張の抑制に役立ちます。
各エクササイズは1〜2分ででき、日常に無理なく組み込みやすい内容です。
※エクササイズの詳細はHPより相談下さい!
5. 日常生活での予防と改善戦略
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姿勢アウェアネス(鏡やアプリで定点チェック)
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50分ごとの休憩と動的ストレッチ
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姿勢をサポートする椅子・モニター位置調整
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適切な睡眠の質向上(寝具見直し)
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ストレスマネジメント:呼吸・瞑想・軽運動
本文:
肩こりはセルフケアだけでなく 生活全体の質 が大きく関係します。
特に長時間の同一姿勢は肩こりの最大の増悪因子です。
欧米のオフィスワーカー研究でも、1時間座位で乱れた姿勢が筋緊張を高めることが示されています
こまめな動きとスマホ使用時の首角度修正が重要です。
おわりに
肩こりは単に「揉んで終わり」ではなく、 体の使い方・循環・神経バランス・心身の状態 が複合的に関与する現象です。
しかし、正しい知識とセルフケアを身につければ、多くの肩こりは自分の力で改善・予防が可能です。
ぜひ日常に上記の方法を取り入れ、健やかな肩を取り戻しましょう!
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました
参考文献
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Schleip R, et al. Fascia Research II: Basic Science and Implications for Conventional and Complementary Health Care. 2019.
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Lee JH, et al. Effects of postural correction on neck pain: A systematic review. Journal of Pain Research. 2020.
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Loeser JD, et al. Bonica’s Management of Pain. 5th Edition. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK470464/
