パーキンソン病 異常なたんぱく質 患者の脳内で撮影成功と発表 | NHK | 医療・健康
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今回はこちらの記事について説明していきます。
はじめに
パーキンソン病などの患者の脳に蓄積する異常なたんぱく質を、生きている患者の脳内で撮影することに成功したと量子科学技術研究開発機構などのグループが発表しました。
病気の診断や、進行の度合いを調べるのに役立つ成果だとしています。
パーキンソン病とは?
パーキンソン病は、脳内のドパミンという神経伝達物質が不足することによって起こる進行性の神経変性疾患です。
ドパミンは脳からの命令を全身に伝える重要な役割を担っており、その不足により体が自由に動かなくなる特徴があります。
主な症状には、安静時に手足が震える(安静時振戦)、動きが遅くなる(無動・寡動)、筋肉が硬くなる(筋強剛・固縮)、歩行障害などがあります。
また、非運動症状として、うつ病や認知症、自律神経症状なども見られることがあります。
日本では約15万人の患者がいると言われており、60歳代で症状が現れ始めることが多いですが、若年性パーキンソン病として40歳以下で発症する場合もあります。男性にやや多いとされています。
現在のところ、パーキンソン病を完全に治す治療法はありませんが、薬物療法によって症状を抑えることが可能です。
主にレボドパ製剤やドパミン作動薬が用いられ、症状の進行を遅らせたり、生活の質を改善することが目指されています。
パーキンソン病の患者の脳に蓄積するたんぱく質とは?
αシヌクレインは、パーキンソン病の患者の脳に蓄積するタンパク質で、神経細胞の正常な機能に必要なものです。
通常、このタンパク質は神経細胞内でシナプス小胞の放出を助ける役割を果たし、神経伝達物質の適切なリリースに関与しています。
特に、αシヌクレインの遺伝子に変異がある場合や、正常なαシヌクレインが異常に増殖した場合には、パーキンソン病の原因になることがわかっています。
また、αシヌクレインの蓄積を抑える治療法の研究も進められており、将来的にはパーキンソン病の治療に役立つ可能性があります。
今回のニュースでは、PET画像によるαシヌクレインの蓄積の可視化に成功し、病気の進行度の客観的評価や治療薬の効果判定に利用できる可能性が示されています。
これにより、パーキンソン病や関連する神経変性疾患の診断や治療法の開発が進むことが期待されています。
おわりに
PETでの画像診断で異常なたんぱく質が脳に溜まっている人を探し出して治験を行ったり、治療効果を確認できるようになると、病気のメカニズムの解明にもつながる可能性が出てきます。
今後もこの研究には目が離せませんね。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。