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知っておきたい歩行機能向上によるフレイル(虚弱)予防

今回は歩行機能向上によりフレイル予防について説明していきます。

 

なぜ歩行機能が大事なのですか?

 歩行機能が低下すると、活動性が低下し、閉じこもり、認知機能低下、うつ状態など、負の連鎖を引き起こす可能性があります。余命に関係するバイタルサインとも言われています。

歩行機能を高めるにはどのようなトレーニングを行えばいいですか?

 筋力トレーニングだけでも、歩行能力を高める効果はあります。またバランス運動やウォーキングなどの有酸素運動も効果的と言われています。

 

高齢者の歩行機能の重要性

 歩行機能がどれほど重要な指標であるかを示した最も有名な研究の1つに、Studenskiらが実施した歩行速度と平均余命の研究があります。

この研究では35000人の高齢者を平均12年間追跡し、歩行速度によって余命が予測できるかどうかを調べています。

結果、歩行速度が0.1m/s上がるごとに死亡リスクが10%低下することが分かりました。

歩行速度が落ちることは、器官の損傷とエネルギー負担が大きいことが述べられています。つまり、歩行速度が低下することは、健康や生命予後になんらかの障害が生じている指標になります。

近年では、歩行速度は新たなバイタルサインであるという考え方になりつつあります。

こういった意味でも、高齢者の機能指標として、まずは歩行機能を評価することが重要視されています。

高齢者の歩行能力を向上させるための運動介入

 

 筋力トレーニングによる歩行機能改善

 Liuらが行ったシステマティックレビューによると、1179名で筋力トレーニングをした群と対象群で比較したところ、介入群において歩行速度が0.08m/sec向上したことが報告されています。

 バランス、歩行練習、機能的トレーニングを組み合わせた複合的運動介入

 高齢者の運動介入を実施する場合は、筋力トレーニングだけでなく、バランスや歩行練習、機能的トレーニング(椅子からの立ち上がりなと)を組み合わせたプログラムも効果的だと言われています。

複数の種類のトレーニングを高齢者に実施した場合、歩行機能だけでなく、転倒予防にも繋がることが明らかになっているため、フレイルを予防する意味でも効果的な介入だと言われています。

 持久力向上のための運動介入

 高齢者の持久力を向上させる方法として、速く歩くような強度の高い運動を取り入れる方法もあります。

Nemotoらは3分間のゆっくり歩行と3分間の早い歩行を1回につき5セット以上繰り返す、高強度インターバルウォーキングを週4日行うことで、最大酸素摂取量や下肢筋力の向上が期待できると報告しています。

いずれの運動も、息切れや自覚症状で「きつい」と感じる場合は、無理をせず休息をしっかりとりいれましょう。しんどく感じる運動は基本的に避けた方がいいでしょう。

おわりに

 歩行機能は、フレイル予防だけでなく生命予後にも関わるため、とても重要です。

簡単な軽いスクワットや10分程度の歩行などから運動習慣をつけるようにしていきましょう。

 

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