今回は、理学療法士が教える「正月太り」を解消させるコツについて説明していきます
理学療法士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
目次
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はじめに
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正月太りの正体は「脂肪」ではない
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体重より先に整えるべき身体の仕組み
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理学療法士が勧める“戻す運動”の考え方
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正月太りを長期化させる生活習慣の落とし穴
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リバウンドしない人が無意識にやっていること
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おわりに
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参考文献
はじめに
正月明け、「体重が増えた」「ズボンがきつい」「身体が重い」と感じて焦る方は非常に多いです。
毎年同じ悩みを繰り返し、「今年こそは早く戻そう」と思いながらも、無理な食事制限や急な運動で挫折してしまうケースも少なくありません。
理学療法士の立場から見ると、正月太りの多くは“太った”というよりも、“身体のバランスが崩れた状態”です。
つまり、正しい順序で体を整えれば、必要以上に頑張らなくても自然と元に戻っていきます。
本記事では、医学・運動生理学・国内外の研究知見をもとに、「なぜ正月太りが起こるのか」「どうすれば最短で戻せるのか」「なぜ毎年繰り返す人とそうでない人がいるのか」を、誰にでも分かる言葉で解説します。
正月太りの正体は「脂肪」ではない
箇条書き
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体重増加=脂肪とは限らない
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水分・糖質・塩分の影響
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腸と肝臓の疲労
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自律神経の乱れ
本文
正月太り=脂肪が増えた、と思い込んでいる方が多いですが、実際には短期間で増えた体重の多くは脂肪ではありません。
海外の代謝研究では、体脂肪1kgを増やすには約7,000kcal以上の余剰摂取が必要とされています。
数日〜1週間で2〜3kg増えた場合、その大半は水分・グリコーゲン・腸内容物です。
おせち料理や外食に多い塩分は体内に水分を溜め込みやすく、糖質は筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄えられ、その際に水分も一緒に保持されます。
これだけで体重は簡単に1〜2kg増えます。
さらに、暴飲暴食や生活リズムの乱れは自律神経を乱し、内臓の働きを低下させます。腸の動きが鈍くなり、老廃物が溜まりやすくなることも、正月太りの大きな要因です。
体重より先に整えるべき身体の仕組み
箇条書き
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呼吸の浅さ
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内臓の位置低下
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血流の停滞
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姿勢の崩れ
本文
理学療法士として最初に注目するのは、体重ではなく「身体の使われ方」です。
正月休み中は長時間座る、寝転ぶ、スマホを見る姿勢が増え、呼吸が浅くなります。すると横隔膜の動きが低下し、内臓が下垂しやすくなります。
内臓の位置が下がると、腸の動きや代謝が落ち、同じ生活をしていても太りやすい状態になります。
また、動かない時間が増えることで下半身の血流が悪化し、むくみや冷えが起こりやすくなります。
日本の姿勢研究でも、骨盤後傾・猫背姿勢が続くと腹圧が低下し、内臓機能や代謝に悪影響を及ぼすことが示されています。
つまり、体重を減らそうとする前に、呼吸・姿勢・内臓環境を元に戻すことが最優先なのです。
理学療法士が勧める“戻す運動”の考え方
箇条書き
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消費より回復
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ハード運動は不要
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毎日できる強度
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神経を目覚めさせる
本文
正月太り解消のために、いきなりランニングや筋トレを始める方がいますが、これは逆効果になることもあります。
身体が休みモードのまま強い刺激を与えると、疲労が抜けず、ストレスホルモンが増え、かえって痩せにくくなります。
理学療法士が勧めるのは、「消費する運動」より「戻す運動」です。
具体的には、深い呼吸を伴うストレッチ、股関節・背骨を大きく動かす運動、ゆっくりしたウォーキングなどです。
近年の神経科学研究では、軽度〜中等度の運動が自律神経を整え、代謝ホルモンの分泌を正常化することが示されています。
毎日10〜20分でも、「気持ちいい」と感じる強度の運動を続ける方が、結果的に体脂肪は落ちやすくなります。
正月太りを長期化させる生活習慣の落とし穴
箇条書き
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いきなり食事制限
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朝食抜き
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睡眠不足
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罪悪感
本文
正月太りが2月、3月まで続いてしまう人には共通点があります。
それは、「急いで戻そうとすること」です。食事量を急激に減らす、糖質を極端に抜く、朝食を抜くなどは、身体にとっては“飢餓ストレス”です。
この状態では、身体はエネルギーを溜め込もうとし、基礎代謝が低下します。
さらに睡眠不足が重なると、食欲を増やすホルモン(グレリン)が増え、悪循環に陥ります。
また、「太った自分はダメだ」という罪悪感も見逃せません。
心理学的研究では、自己否定がストレス反応を強め、過食や運動回避につながることが分かっています。
正月太りは一時的な状態だと理解することが、回復を早める重要なポイントです。
リバウンドしない人が無意識にやっていること
箇条書き
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生活リズム固定
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朝の光
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歩く習慣
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完璧を求めない
本文
毎年正月太りしない、もしくはすぐ戻る人には、特別な努力ではなく「習慣」があります。
起床時間を大きくずらさない、朝に太陽光を浴びる、こまめに歩くといった行動です。
海外の時間栄養学研究では、体内時計が整うことで脂質代謝が改善されることが示されています。
特に朝の光と朝食は、自律神経とホルモンのスイッチを入れる重要な役割を果たします。
また、完璧を求めず「今日は少し整えよう」という姿勢も大切です。
理学療法の現場でも、長期的に体調が安定している人ほど、頑張りすぎない傾向があります。
おわりに
正月太りは、身体からの「少し休みすぎましたよ」というサインに過ぎません。
脂肪を敵にするのではなく、乱れたリズムを整え、身体本来の働きを取り戻すことが最短ルートです。
理学療法士として伝えたいのは、「戻す力は誰の体にも備わっている」ということです。
焦らず、優しく、順番を間違えなければ、体は必ず応えてくれます。
今年はぜひ、“頑張る正月太り解消”ではなく、“整える正月太り解消”を実践してみてください。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
参考文献
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Hall KD et al. Energy balance and body weight regulation. Am J Clin Nutr.
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日本理学療法士協会:運動と代謝に関するガイドライン
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Westerterp KR. Physical activity and physical activity induced energy expenditure.
https://academic.oup.com/ajcn/article/90/3/678/4597020
