今回は動悸の正しい対処法について説明していきます。
心リハ指導士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
はじめに
動悸を「たかが」と思って放置していませんか?
軽い自覚でも、実は不整脈や心疾患のサインである可能性があります。
最新のガイドラインや臨床研究をもとに、見逃せない危険信号、正しい診断・対処法、自宅でできるケアなどを専門知識とオリジナル視点で多角的に解説します。
ぜひ日常の備えとしてお役立てください。
1. 動悸のメカニズム・種類
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心臓の電気信号異常:期外収縮、頻脈、徐脈によって不規則な拍動が生じる
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ストレス・刺激物の影響:カフェイン、アルコール、緊張が交感神経刺激で動悸誘発
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構造的疾患の兆候:心筋症や弁膜症でも拍動の乱れが現れることがある
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ホルモンや代謝異常:甲状腺亢進や低血糖も動悸を引き起こしうる
全体では、症状だけでは見極めが難しく、軽視は禁物です。
2. 危険な動悸、見抜くサイン
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胸痛や圧迫感を伴う:狭心症や心筋梗塞の可能性あり
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失神やひどいめまい:重篤な不整脈の可能性、緊急対応が必要
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呼吸苦・冷汗などの複合症状:心原性ショックや肺血栓の可能性
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家族歴・持病がある場合:心疾患・突然死の家族歴は重点的なチェックが必要
これらのサインが現れた場合は、迷わず受診・救急対応が重要です。
3. 病院での診断・検査法
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12誘導心電図(ECG):初診時の標準検査、即効性の高い診断手段
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ホルター検査:日常生活下での不整脈を24〜72時間記録し発作を逃さない
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イベントレコーダー・植込み型モニター:頻度少ない発作にも対応
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心エコー・負荷試験:構造異常や運動時の異常を確認
段階的な検査により、軽症~緊急性まで的確に振り分けられます。
4. 自宅でできる緊急対応と予防法
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バルサルバ法などの迷走神経刺激:急性期に一時的頻脈抑止が可能
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ストレス軽減法の実践:深呼吸・マインドフルネスで心拍を落ち着ける
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刺激物の管理:カフェインやアルコール、エナドリの濫用を控える
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生活記録(日誌):発作の頻度・状況を詳細に記録し医師へ共有
※ただし、症状を伴った場合は速やかに医療に接続してください。
5. 専門治療と長期管理
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薬物治療:β遮断薬、抗不整脈薬で発作抑制
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カテーテルアブレーション:SVTや頻繁な期外収縮の根治を目指す
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ICD・植込み型除細動器:重症VTや突然死リスク高い場合に有効
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心房細動の管理:抗凝固治療+リズム/レートコントロールで脳卒中リスク低減
適切な専門治療により、動悸による生命リスクを低く抑えられます。
おわりに
「軽い動悸」は見逃されがちですが、重症不整脈や心疾患の前兆である可能性が隠れています。
現代医療と生活セルフケアを併用することで、安心・安全に過ごせる環境を整えましょう。
もし、胸痛や失神、呼吸困難といった症状が現れれば、即時の医療対応を優先してください。
この記事が、皆さんの健やかな生活を支える一助となれば幸いです。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました
参考文献
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Mayo Clinic. Heart palpitations – symptoms & causes en.wikipedia.org+6mayoclinic.org+6my.clevelandclinic.org+6
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Verywell Health. Worrisome Heart Palpitations: When to Seek Help mayoclinic.org+2verywellhealth.com+2bswhealth.com+2
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ACC/AHA/ACEP 2025 guideline on acute coronary syndromes. [リンク付き] ahajournals.org