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その腰痛放置しても大丈夫?理学療法士が教える本当の原因

今回は、その腰痛放置しても大丈夫?理学療法士が教える本当の原因について説明していきます

理学療法士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!

目次

  1. はじめに

  2. 腰痛の多くは「原因不明」?その真実

  3. 筋肉・関節・神経の複雑な関係

  4. 姿勢・生活習慣が腰に与える影響

  5. 放置で悪化する腰痛のサインとは

  6. 自分でできるセルフケアと理学療法士の役割

  7. おわりに


はじめに

腰痛は日本人の約8割が一生のうちに経験すると言われるほど、身近でありながら複雑な症状です。

特に「少し痛いけど、そのうち治るだろう」と放置してしまう方も少なくありません。

しかし、腰痛を放置することで慢性化や再発を繰り返し、最終的には生活の質(QOL)を大きく損なうリスクが高まります。

理学療法士の立場から言えば、腰痛は単なる「腰の問題」ではなく、体全体のバランス・筋肉の使い方・生活習慣の積み重ねが原因となることが多いのです。

本稿では、最新の研究や臨床の知見をもとに「腰痛の本当の原因」と「放置するリスク」、さらに「自分でできる予防・改善のヒント」について解説していきます。


1. 腰痛の多くは「原因不明」?その真実

  • 腰痛の約85%は画像検査で明確な原因が特定できない

  • 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症でも痛みと相関しない場合あり

  • 筋肉・靭帯の微細な損傷や神経の過敏化が影響

  • 「原因不明=問題なし」ではなく生活習慣の結果であることが多い

近年の研究では、MRIやレントゲンで異常があっても必ずしも痛みの原因とは限らないことが分かっています。

逆に、異常が見つからないのに強い腰痛を訴える患者も多く、腰痛は「単一の原因」ではなく「多因子性の症状」と捉える必要があります。


2. 筋肉・関節・神経の複雑な関係

  • 腰回りのインナーマッスル(腹横筋・多裂筋)の機能低下

  • 股関節や骨盤の可動性不足が腰に過負荷を与える

  • 神経の過敏化により「痛みセンサー」が強く反応

  • 精神的ストレスが自律神経を介して腰痛を悪化

腰は「体の要」と呼ばれるように、多くの筋肉・関節・神経が交差する部位です。

特に体幹の安定性を保つインナーマッスルの機能低下は、腰椎への負担を増大させ、慢性的な腰痛の温床になります。

また、神経系の感作(sensitization)により痛みの閾値が下がり、わずかな刺激でも痛みが強く感じられるケースもあります。


3. 姿勢・生活習慣が腰に与える影響

  • 長時間の座位姿勢が腰椎に大きな負担を与える

  • 前傾姿勢やスマホ姿勢が慢性腰痛の温床

  • 運動不足で筋肉が硬直し血流も悪化

  • 睡眠不足や栄養バランスの乱れも腰痛を助長

腰痛は「職業病」とも言えるほど生活習慣に依存します。特にデスクワークやスマホ操作で前屈みの姿勢が続くと、腰椎に大きな圧力がかかります。

さらに運動不足や偏った食生活は血流を滞らせ、筋肉の回復を妨げる要因となります。


4. 放置で悪化する腰痛のサインとは

  • 痛みが3か月以上続く場合は慢性化のリスク大

  • 下肢にしびれや力が入らない感覚がある場合は神経障害の可能性

  • 夜間や安静時にも痛む場合は炎症や腫瘍のサイン

  • 痛みで日常生活に支障が出ている場合は要注意

腰痛は自然に改善するケースもありますが、放置してはいけないサインもあります。

特に神経障害を伴う症状は、早期に適切な診断と治療を受けなければ取り返しのつかない後遺症を残すことがあります。


5. 自分でできるセルフケアと理学療法士の役割

  • ストレッチと軽い運動で筋肉の柔軟性を保つ

  • 深呼吸や瞑想で自律神経を整える

  • 体幹トレーニングで腰椎の安定性を高める

  • 専門家による評価で原因に合わせたアプローチ

理学療法士のアプローチは「原因の特定」から始まります。

同じ腰痛でも、人によって原因が異なるため、個別の評価とトレーニングが重要です。

また、自宅でのセルフケアを組み合わせることで、再発予防や症状改善が期待できます。


おわりに

腰痛は単なる「一時的な痛み」ではなく、体全体や生活習慣の影響を受ける複雑な問題です。

放置することで慢性化や神経障害を引き起こすリスクがあるため、早めの対処と生活改善が不可欠です。

理学療法士の視点から言えるのは、「腰痛は自分の体の声」であり、体からのサインを無視しないことが何より大切だということです。

今、腰痛で悩んでいる方は、まず生活習慣を見直し、セルフケアを取り入れながら、必要であれば専門家に相談してください。

腰痛は「放置する病気」ではなく「向き合うべきサイン」です。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました


参考文献

  1. 日本整形外科学会「腰痛診療ガイドライン 2021」

  2. Hartvigsen J, Hancock MJ, Kongsted A, et al. What low back pain is and why we need to pay attention. Lancet. 2018;391(10137):2356-2367. リンクはこちら

  3. Airaksinen O, Brox JI, Cedraschi C, et al. Chapter 4 European guidelines for the management of chronic nonspecific low back pain. Eur Spine J. 2006;15(Suppl 2):s192-s300.

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