今回は、誰でもできる、高血圧の予防に関する食事療法とは?について説明していきます
心リハ指導士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
目次
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はじめに
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減塩は基本だが「質」を意識する
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カリウム・マグネシウムの積極的摂取
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DASH食と地中海食から学ぶ高血圧予防
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加工食品・外食との付き合い方
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日常で実践できる食事習慣の工夫
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おわりに
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参考文献
はじめに
高血圧は日本人の生活習慣病の中でも特に多く、放置すると心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める「サイレントキラー」です。
しかし、その多くは 日々の食事習慣 を見直すことで予防・改善が可能であることが、国内外の研究で示されています。
本稿では、最新の栄養学と臨床研究を踏まえながら「誰でも取り組める」食事療法を解説し、さらに実生活での応用方法や独自の視点を交えてご紹介します。
減塩は基本だが「質」を意識する
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世界保健機関(WHO)は 1日5g未満の塩分摂取 を推奨
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日本人の平均摂取量は約10gと、基準を大きく超えている
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減塩の際は 調味料を減らすよりも“旨味や香辛料”を活用 する工夫が有効
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「塩を減らす」だけでなく 塩の種類(精製塩ではなくミネラルを含む自然塩) を選ぶことも大切
最近の研究では、ナトリウム摂取量を減らすだけでなく、ナトリウムとカリウムのバランス が血圧調整に強く関わることが明らかになっています。
カリウム・マグネシウムの積極的摂取
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カリウムは 余分なナトリウムを体外に排出 し、血圧を下げる効果
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バナナ、アボカド、ほうれん草、サツマイモなどが代表的食品
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マグネシウムは 血管の収縮を抑え、動脈硬化予防 に役立つ
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海藻類、豆類、ナッツ類が有効な供給源
2022年の欧州心臓学会の報告では、カリウム摂取量の多い人は心血管疾患リスクが低い という大規模調査結果が示されています。
DASH食と地中海食から学ぶ高血圧予防
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DASH食は「Dietary Approaches to Stop Hypertension」の略で、野菜・果物・低脂肪乳製品を中心 に構成
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地中海食は オリーブオイル・魚・豆類を多く含む 食事法で心疾患予防効果が証明済み
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両者に共通するのは 加工食品を減らし、自然の食材を重視 する点
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最新研究では、DASH食+地中海食のハイブリッドがより効果的との報告もある
特に日本では魚・大豆製品・野菜の摂取文化があるため、和食をベースにDASHや地中海食の考え方を取り入れる ことが現実的です。
加工食品・外食との付き合い方
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加工食品の約8割には 隠れた塩分 が含まれる
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外食1食で 1日の塩分摂取上限を超える ことも多い
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コンビニや冷凍食品は 栄養成分表示を確認 する習慣が必須
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塩分を控える代わりに、酢・レモン・スパイス で味に変化をつける
独自の視点として、私は「外食の際は味付けの濃い主菜ではなく副菜から食べる」ことを推奨します。
これにより自然と塩分摂取量を抑える効果が期待できます。
日常で実践できる食事習慣の工夫
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朝食に果物を1品追加 → カリウム摂取量を増やす
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1日1回は無塩ナッツを取り入れる → マグネシウム補給
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出汁やハーブで味を引き立てる → 減塩でも満足感を維持
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週に2回は魚を主菜に → オメガ3脂肪酸で血管保護
さらに独自のポイントとして「自分の味覚をリセットする1週間減塩チャレンジ」を推奨します。
塩分の少ない食事を続けると、2週間後には自然に薄味が美味しく感じられるようになります。
おわりに
高血圧の予防は「特別な治療」ではなく、日々の食卓の積み重ね から始まります。
減塩はもちろん大切ですが、それ以上に 栄養素のバランス と 食習慣の工夫 が長期的な予防につながります。
最新研究は、DASH食や地中海食の有効性を裏付けつつも、「地域文化に合わせた食習慣」が持続可能であると示しています。
つまり、無理な食事制限ではなく、楽しく続けられる工夫 が予防のカギなのです。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました
参考文献
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Sacks FM, et al. “Effects on blood pressure of reduced dietary sodium and the Dietary Approaches to Stop Hypertension (DASH) diet.” NEJM, 2001.
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Estruch R, et al. “Primary prevention of cardiovascular disease with a Mediterranean diet.” NEJM, 2013.
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WHO. “Guideline: Sodium intake for adults and children.” 2012. リンクはこちら