知的障害者のショートステイ 180日超の長期滞在が全国1200人以上 大半は介護受けられる住まいが見つからず | NHK | ニュース深掘り
今回はこちらの記事について解説していきます。
はじめに
「『仮住まい』が続いている状態」
「人権に関わる重大問題だ」
そう指摘される障害者の住まいについてです。NHKが全国の自治体に調査したところ、多くの知的障害のある人が原則、短期間の利用に限られている「ショートステイ」の施設に長期滞在している実態が明らかになりました。
国が目安としている年間180日を超えて利用している人は、全国に少なくとも1200人以上いると判明。
ショートステイとは?
「ショートステイ」とは、自宅で介護が必要な人が特別養護老人ホームなどの施設に短期間入所し、日常生活上の支援や機能訓練を受ける介護サービスです。
最短1日から利用でき、家族による介護が一時的に難しい場合や、介護負担を軽減する目的としても利用できます。
在宅で介護を続けている方が、冠婚葬祭などで自宅を数日間空けなければならない場合や、介護者が体調を崩した際にも活用できます。
ショートステイは、食事や入浴などの生活援助を受けることができ、介護者の休息(レスパイト)の目的でも利用されます。
知的障碍者のショートステイに長期滞在する理由は?
知的障碍者のショートステイに長期滞在する理由はいくつかあります。
以下はその一部です。
- 家族の休息と負担軽減: 知的障碍者を介護している家族は、日常的なケアやサポートが必要です。ショートステイを利用することで、家族は一時的に休息を取ることができ、介護の負担を軽減できます。
- 社会的交流とスキル向上: ショートステイは、知的障碍者にとって新しい環境での社会的交流やスキル向上の機会を提供します。施設内での活動やプログラムに参加することで、コミュニケーション能力や日常生活のスキルを向上させることができます。
- 一時的な緊急事態: 一時的な緊急事態(例:家庭内の問題、介護者の体調不良)が発生した場合、知的障碍者はショートステイ施設に滞在することで安全を確保できます。
- 家庭環境の変化: 一時的な家庭環境の変化(例:リフォーム、家族の旅行)により、知的障碍者が一時的に別の場所で過ごす必要がある場合があります。
ショートステイは、個々のニーズに合わせて利用されるため、長期滞在の理由は個人によって異なります。
ショートステイは、原則、短期間の利用を想定していて、厚生労働省の要領では目安となる1年間の利用日数について「利用者の心身の状況などを勘案して特に必要と認められる場合を除き、年間180日を超えないようにしなければならない」としています。
180日を超えて利用する必要があるかどうかは、自治体が個別に判断し、家族が長期入院しているなど、やむをえない事情がある場合には例外的に認められます。
おわりに
そもそもショートステイは短期の利用を目的とした制度なので、そうした施設に長期滞在を余儀なくされている人は、いわば『仮住まい』の状態です。
本来であれば施設の職員は、長期的なスパンで支援内容を組み立てが、“ロングショートステイ”の人の場合は、いつまでその施設にいられるかもわからず長期的な見通しが立てられない中で支援をするしかない。
生活の根幹が成り立っていないような状態で人権に関わる重大な問題です。
特に重い障害のある人たちが暮らす場がないという問題で、きちんと1つの場所で落ち着けるような補助のあり方や人員体制、ハード面の整備など、行政の介入が必要であると考えます。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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