今回はフレイル予防に必要なカルシウムとビタミンDについて説明したいと思います。
ビタミンDについて
ビタミンDはカルシウムの吸収を促し、骨形成に重要な役割をもっています。
米国の高齢女性の調査では血中の25‐ヒドロキシビタミンD濃度(ビタミンDの指標)が、50~70nmol/Lの範囲では、フレイルのリスクが低くなると発表されています。
しかし、50nmol/L未満ではフレイル、筋力の減少、転倒や骨折のリスクが高くなったと報告されています。
日本人高齢女性でもこの濃度が低い人(21ng/ml(52.5nmol/L))の方が、転倒の頻度は高くなっています。
ビタミンDのサプリメント摂取によって筋力が増加し、転倒や骨折のリスクが改善したという結果もあります。
しかし、ビタミンDが不足していない場合は、サプリメントで多量に摂取しても効果がみられないようです。サプリメントはあくまでもビタミンDが不足しがちな方に推奨されています。
「骨粗鬆症の予防とガイドライン」では、骨粗鬆症治療には1日の摂取量を400~800IU(10~20Ug)にするように推奨されています。これは、日本人の食事摂取基準の推進量よりも高い数字です。
また、ビタミンDは紫外線によっても皮膚で産生されます。骨粗鬆症財団は、1日に夏なら木影で30分、冬なら手や顔に1時間程度日光に当たるように勧めています。
カルシウムについて
カルシウムは日本人にとって不足時がちな栄養素の1つです。
体内では99%は骨や歯に存在し、残りは血液中に存在しています。筋肉の収縮や神経伝達などにも関与しているため、カルシウムの血中濃度は精米範囲で一定に保たれています。
もしカルシウムが食事から入ってこないで血中濃度が低下すると、骨からカルシウムが溶け出して、血液に補充されます。
カルシウムを多く含む食品は、
野菜類は、小松菜・モロヘイヤ・菜の花
魚介類は、ワカサギ、干しエビ、ししゃも
大豆食品は、焼き豆腐、生揚げ、がんもどき
乳製品は、牛乳、ヨーグルト、チーズ
などに多く含まれています。
終わりに
ビタミンDとカルシウム不足は、骨粗鬆症とフレイルに大いに関係します。
一度食生活と日々の生活を見直して、丈夫な体を作って、健康寿命をのばしましょう。