治療法としては、まず卵や卵を含む食品の摂取を避けることが基本です。
しかし、加熱によってアレルゲン性が低下することもあるため、加熱した卵を少量から試すことが推奨されることもあります。
また、アレルギー反応を起こした場合には、抗ヒスタミン薬の投与や、重篤な場合にはエピネフリンの使用が必要になることがあります。
注意点としては、卵を完全に避けることは困難な場合があるため、食品のラベルを注意深く確認し、隠れた卵成分に注意することが重要です。
また、卵アレルギーの子供がいる家庭では、家族全員が卵の扱いについて理解し、協力することが望ましいです。
アレルギー低減卵とは?
アレルギー低減卵とは、アレルギー反応を起こしにくくするために特定のアレルゲンタンパク質を含まないように改良された鶏卵です。
主に、熱に強いタンパク質である「オボムコイド」を除去することで、アレルギー反応を低減することが可能になります。
キユーピー株式会社と広島大学が共同で研究を進めており、2020年にはラボレベルでアレルギー低減卵の作出に成功しました。
その後、安全性の確認や調理・製菓適性の検証が行われ、現在は臨床試験フェーズに進んでいます。
この臨床試験は、重症鶏卵アレルギー患者におけるアレルギー低減卵の臨床的安全性を検証するもので、日本医療研究開発機構(AMED)の事業に採択されています。
アレルギー低減卵は、食物アレルギーで苦しむ人々にとって、卵を安心して食べることができる新たな選択肢となる可能性があります。
ただし、アレルギー低減卵がすべての鶏卵アレルギー患者にとって安全であるかどうかは、現在のところ臨床試験を待つ必要があります
おわりに
アレルギー低減卵はまだ研究段階ですが、今後の臨床試験の結果次第では、将来誰にでも卵を使った料理を食べれる時代が訪れるかもしれません。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。