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どんな症状?シェーグレン症候群の特徴

今回はシェーグレン症候群の特徴について説明していきます。

参考文献(成人のシェーグレン症候群の特徴と治療)

 

はじめに

 シェーグレン症候群は(SS)腺組織の破壊により、涙腺や唾液の産生低下を来たし、目や口の中などで乾燥症状を呈します。また外分泌腺以外の病変や全身症状を呈することもあります。

シェーグレン症候群(SS)は2015年に指定難病となり、診断基準と重症度分類を満たす場合に医療助成の対象となっています。

疫学

厚生労研究班拡大SS分類により全国疫学調査(2011年)では

患者数は68483人(有病歴0.05%)と推定されています。

 男女比は1:17.4で圧倒的に女性に多く、発症年齢のピークは40~60歳代であると言われています。

関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病を合併する二次性シェーグレン症候群では、関節リウマチが38.7%、全身性エリテマトーデスが22.2%と言われています。

 全身性エリテマトーデスとは??

 自分の細胞を攻撃する抗体が生じることにより、様々な臓器に炎症などが現れる病気のことです。

臨床所見

 

①腺症状(乾燥症状)

・目乾燥症(ドライアイ)

涙がでない、目がごろつく、目が熱い、目が疲れる、目が充血する、眩しいなどがあります。

眼科的に乾性角結膜炎を認める場合もあります。

 乾性角結膜炎とは??

 結膜(まぶたの裏側)と白目部分を覆う膜と角膜が乾燥することのことです。

・口腔乾燥症(ドライマウス)

口腔乾燥感、唾液粘着感、口腔灼熱感、味覚異常、食物摂取困難などが自覚症状として現れます。

 

②腺外症状・合併症

・皮膚病変

シェーグレン症候群は薬剤アレルギーが多く、薬疹が起こりやすいです。

また発汗症状や乾皮症も呈することがあります。

・呼吸器病変

気道病変や間質性肺炎が特徴的だと言われています。

・腎病変

尿細管間質性腎炎、遠位尿細管アシドーシスが特徴的だと言われています。

一般的に尿検査では正常または、軽度異常のみであることが多いと言われています。

・神経病変

末梢神経障害では多発性神経炎(主に感覚障害が主)、脳神経障害(三叉神経炎、視神経炎など)が多く、次いで多発性神経炎を認めることがあります。

・関節病変

関節リウマチ様の関節症状を呈しますが、シェーグレン症候群では罹患関節5関節未満の対称性関節炎であることが特徴的です。

・血液異常・リンパ球増殖性病変

貧血、白血球減少、血小板減少を認めますが軽症であることが多いと言われています。

・消器病変化

唾液量低下に伴う嚥下障害や胸やけなどの食道炎症症状が見られることもあります。

・その他

自己免疫性甲状腺疾患を合併することもあり、多くは慢性甲状腺炎(橋本病)と言われています。

③免疫学的検査所見:自己抗体

 抗SS-A抗体の陽性率は50~70%ですが特異度は低く、抗SS-B抗体の陽性率は20~30%ですが、特異度が高く診断意義が大きいと言われています。

 抗SS-A抗体、抗SS-B抗体ともにシェーグレン症候群では高値となる自己抗体のことです。

 特異度とは、罹患していない者を陰性として選別することのことを言います。

 例:特異度90%は、10人ガンのない健常者のうち9人陰性という結果が出るということです。

 

おわりに

 シェーグレン症候群は一般的には予後が良好と言われていますが、悪性リンパ腫は予後に影響する合併症として注意が必要です。

また、予後に影響する特定の線外病変は明らかではないですが、線外病変の存在は予後に影響するリスク因子として考慮することが大事となってきます。

 

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