今回は、ギランバレー症候群の急性期のリハビリテーションについて説明していきます
理学療法士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
はじめに
ギラン・バレー症候群(GBS)は、急激に進行する末梢神経の脱髄性疾患で、呼吸筋麻痺など生命の危険を伴う状態に至ることもあります(急性期:発症〜最重症期)。
急性期のリハビリテーション(以下「リハビリ」)は、呼吸管理・拘縮防止・筋力回復を目的とし、障害回復の基盤を作る極めて重要なフェーズです。
1. 急性期リハビリの目的と基本戦略
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呼吸筋の保護促進:挿管・非侵襲換気中も筋力維持を図る。
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拘縮や褥瘡予防:適切な関節運動で筋肉や皮膚を守る。
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循環維持とケガ防止:静脈血栓や筋萎縮を防ぐ体位・運動管理。
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疼痛・不安のケア:痛みの緩和、心理的な安心を整える点も重要
2. リハビリの実施タイミングと体制
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発症2〜3週目までが急性上昇期:この時期は無理せず呼吸・拘縮対策中心に行う
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プラトー期(麻痺安定期)への移行:状態が安定したら、歩行補助や軽負荷運動を導入
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早期に転院判断: ICUからリハ施設への速やかな移動が、リハビリ継続の鍵。
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3時間/日以上の集中訓練:回復効果のある最低限の運動量として推奨。
3. 計画に沿った運動処方
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受動的ROM運動:急性期初期は嚢関節の可動域を保護する基本訓練。
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呼吸訓練と排痰支援:胸部理学療法、咳訓練、BiPAP活用などで肺機能維持。
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立位・歩行練習の段階的導入:体幹を安定させつつ、徐々に筋力回復を図る。
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補助具や機能練習の選択:歩行器、義肢、装具を使ったADL再獲得訓練
4. 多職種チームとの協働
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医師:神経徴候・自律神経・呼吸状態をチェック
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理学/作業療法士:筋力・ADL・感覚障害に応じた訓練を設計。
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看護師:皮膚管理、呼吸ケア、排尿管理などを担当。
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心理・栄養など支援者:精神安定、エネルギー供給、家族指導を包括。
5. 回復期へ続く継続的リハビリの重要性
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急性期後も40%以上がリハビリを要する。
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介入時期が予後を左右:早期動機付け・訓練開始が回復速度を高める。
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歩行・運動能力の回復は1年継続可能。
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高齢者や人工呼吸器使用歴は遅れ要注意:転帰予測には換気歴が重要な指標。
おわりに
ギラン・バレー症候群の急性期リハビリは、ただの筋トレではなく、呼吸・循環・神経・関節を“守りながら”進める専門的対応です。
状態に応じた段階的運動処方、多職種連携、安全確保のもと、早期継続的な介入が後遺障害の最小化と生活の質向上に直結します。
急性期の適切なリハビリは「回復への基盤」。
その後の回復期・維持期へのスムーズなバトンタッチが、患者と家族の明日をつくる一歩です。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました
参考文献
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GBS/CIDP Foundation. After the Hospital, A Guide to Rehabilitation for GBS InventUM+13GBS/CIDP Foundation International+13GBS/CIDP Foundation International+13.
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Leonhard et al. Diagnosis and management of GBS in ten steps, Nat Rev Neurol 2019 PMC+1Nature+1.
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PLOS One. Value of inpatient rehabilitation for GBS patients, 2023 InventUM+1PMC+1.