今回は、要支援者はデイサービスとデイケアを併用できないのか?について説明していきます
医療従事者の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
はじめに
介護保険制度では、要支援者向けに「介護予防通所介護(=デイサービス)」と「介護予防通所リハビリ(=デイケア)」が提供されていますが、要支援認定を受けた方は、いずれか一方しか利用できず併用不可となっています。
この仕組みは、利用者のニーズに基づいたサービス提供と、制度効率および費用抑制という行政的狙いが背景にあります。
本稿ではその理由を、制度設計・運営面・地域包括管理の観点から解説します。
1. 要支援向けは月額制、要介護向けは日額制
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要支援1・2の通所サービスは月額定額制で、自治体ごとにサービス提供計画を立てるため併用は制度設計上想定されていない
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一方、要介護1〜5は日額計算制で、デイサービスとデイケアの両方を利用できる
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月額制度では併用により区分を超える利用となり、上限管理が困難に
2. 地域包括支援センターのサービス調整
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地域包括支援センターは、要支援者における介護予防計画を策定・管理する責務がある
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Q&Aにも、「利用者ニーズを踏まえ、基本的には一方が選択される」と明記
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併用前提では計画立案・モニタリングが困難になり、リソースの過剰提供を防ぐ仕組み
3. 費用負担と費用抑制の観点
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要支援向け月額制度は「総合対応型」サービスを想定し、限られた予算の中で効率的に予防目的を提供する
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併用が可能になると、コストが二重になり制度本来の「重度化予防」目的から逸れる
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加えて、自治体ごとの財政配分・負担計算が複雑化
4. 制度設計と利用者負担の公平性
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デイケア(リハビリ強化型)は全国一律月額制、デイサービス(生活支援型)は市町村裁量制
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同一利用者が複数事業所を併用すると、自治体間の費用格差が浮き彫りになる恐れ
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制度設計上、要支援者は「地域単位で生活継続支援を受ける対象」とされ、複数拠点利用は想定外
5. 利用者ニーズの多様化と地域包括ケア政策
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介護予防の初期段階にある要支援者は地域の一貫した支援プランが重要
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複数サービス拠点に分散すると、ケアマネジメントの一貫性が低下し、理想的な予防につながりにくい
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地域包括ケアの観点からも、「支援方法の一本化」が効率と効果を高める
おわりに
要支援者がデイサービスとデイケアを併用できないのは、以下の理由によります:
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月額制の制度設計で併用が想定されてない
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地域包括支援センターによる計画調整が前提
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費用抑制と公平性の観点から併用が制度的に不都合
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地域単位のケア統合と高品質マネジメントを実現するため
要支援者は「必要な支援を一元的に受ける」モデルで設計されており、制度は利用者が過不足なくケアを受けられる状態を目指しています。
併用ニーズがある場合は、ケアマネージャーや地域包括支援センターと相談し、自費サービスで補完する方法も選択肢となるでしょう 。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました
参考文献
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厚生労働省「介護予防通所介護と通所リハビリ併用Q&A」 ケアカイゴ+4介護未来マガジン+4リハウルフ+4
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厚生労働省・地域包括支援センター制度に関する資料(制度的背景)