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腰痛を悪化させるやってはいけない習慣5選!

今回は、腰痛を悪化させるやってはいけない習慣について説明していきます

理学療法士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!

目次

  1. はじめに

  2. 長時間の同じ姿勢を続ける

  3. 間違った持ち上げ動作

  4. 運動不足と過度な安静

  5. 不適切な椅子・寝具の使用

  6. ストレスや睡眠不足

  7. おわりに

  8. 参考文献


はじめに

腰痛は世界中で最も一般的な健康問題のひとつであり、WHO(世界保健機関)の報告によれば、成人の約80%が生涯で一度は腰痛を経験すると言われています。

日本でも厚生労働省の調査で「有訴者率」の上位に常にランクインしており、生活の質を大きく損なう要因です。

腰痛の原因は一つではなく、姿勢、筋力低下、生活習慣、心理的要因などが複雑に関わっています。

その中で「やってはいけない習慣」を見直すことは、腰痛予防や改善のために極めて重要です。

本記事では、理学療法士や海外研究の最新知見を踏まえながら、腰痛を悪化させるNG習慣を5つ紹介します。


長時間の同じ姿勢を続ける

  • デスクワークで腰に負担集中

  • 血流低下で筋肉が硬直する

  • スマホ首や猫背も腰痛を助長

  • 30分ごとの体位変換が重要

長時間座りっぱなしや立ちっぱなしは、腰椎や椎間板にかかる圧力を高めます。

米国の研究(Sedentary Behavior and Low Back Pain, Spine, 2020)でも、座位時間が長い人は腰痛リスクが2倍になると報告されています。

解決策としては、30分ごとに立ち上がってストレッチを行う、昇降デスクを導入するなどの工夫が有効です。


間違った持ち上げ動作

  • 腰を丸めて持ち上げるのは危険

  • 重心がずれて椎間板を圧迫

  • 足腰ではなく背中で持ち上げる

  • 正しいフォームで膝を使う

重い荷物を持ち上げるときに腰を曲げたまま行うと、椎間板ヘルニアや急性腰痛のリスクが高まります。

最新のバイオメカニクス研究では、腰部にかかる力は「膝を使うかどうか」で約2倍異なるとされています。

ポイントは「荷物を体に近づける」「腰を反らさず膝を曲げる」「ひねり動作を避ける」ことです。


運動不足と過度な安静

  • 動かないと筋力が低下する

  • 安静しすぎると回復が遅れる

  • 有酸素運動が血流を改善する

  • 筋トレで体幹を安定させる

かつては腰痛時には「安静」が推奨されていましたが、近年の研究(Lancet, 2018)では過度な安静はかえって回復を遅らせると示されています。

軽い有酸素運動(ウォーキングや水中歩行)や体幹筋トレーニングは、腰椎の安定性を高め、再発予防にも効果的です。


不適切な椅子・寝具の使用

  • 硬すぎる椅子は骨盤に負担

  • 柔らかすぎるベッドもNG

  • 正しい腰サポートが重要

  • 姿勢保持を助ける環境づくり

オフィスチェアや寝具の選び方は腰痛に大きく影響します。米国整形外科学会のレビューでは、中等度の硬さのマットレスが腰痛改善に最も有効であるとされています。

椅子は腰を支えるランバーサポート付きのものを選び、足が床にしっかりつく高さに調整することがポイントです。


ストレスや睡眠不足

  • 精神的ストレスが痛みを増幅

  • 睡眠不足で回復力が低下

  • 自律神経の乱れが筋緊張を悪化

  • リラクゼーション習慣が有効

心理的要因は腰痛の慢性化に大きく関与します。慢性腰痛患者を対象とした研究(European Journal of Pain, 2021)では、ストレスが強い人ほど腰痛の重症度が高いことが分かっています。

瞑想、深呼吸、ヨガなどで自律神経を整えること、7時間以上の良質な睡眠をとることが推奨されます。


おわりに

腰痛は一度発症すると慢性化しやすく、日常生活に長期的な影響を及ぼします。しかし、その多くは「生活習慣の見直し」で改善や予防が可能です。

長時間同じ姿勢を避ける、正しい動作で荷物を持ち上げる、適度に体を動かす、環境を整える、そしてストレスマネジメントを行う――これらを意識するだけで、腰痛のリスクは大きく減少します。

腰痛は「自分でコントロールできる部分」が多い疾患です。小さな習慣改善の積み重ねが、長期的な健康の維持につながります。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました


参考文献

  1. Hoy D, et al. “The global burden of low back pain: estimates from the Global Burden of Disease 2010 study.” Ann Rheum Dis. 2014.

  2. Foster NE, et al. “Prevention and treatment of low back pain: evidence, challenges, and promising directions.” Lancet. 2018. リンクはこちら

  3. Maher C, et al. “Non-specific low back pain.” Lancet. 2017.

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