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足の裏の痛み…それ「偏平足」だけが原因じゃない!?

今回は、足の裏の痛み…それ「偏平足」だけが原因じゃない!?について説明していきます。

理学療法士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!

目次

  1. はじめに

  2. 足の裏の痛みの“意外な正体”とは?

  3. 偏平足以外に考えられる主要な原因

  4. 最新研究が示す「足のアーチ」と全身の関係

  5. セルフチェックでわかる問題点

  6. 痛みを軽減する具体的な対処法

  7. おわりに

  8. 参考文献


はじめに

足の裏の痛みと聞くと、多くの方が真っ先に思い浮かべるのが「偏平足」です。

しかし、実際には偏平足だけが原因ではありません。臨床では、偏平足ではない人でも足裏の強い痛みを訴えるケースが多く、むしろ「複数の要因が重なって痛みを引き起こしている」ことがほとんどです。

近年、日本と海外の研究では、足底筋膜炎、足のアライメントの乱れ、足指の機能低下、体幹の弱さ、さらには“ストレス”までもが足の痛みと関連すると報告されています。

本コンテンツでは、最新知見と臨床視点を組み合わせ、「ネットにありそうで載っていない」独自の視点も交えて解説します。


1. 足の裏の痛みの“意外な正体”とは?

■ ポイント

  • 痛みの多くは「局所の炎症」ではなく「荷重バランスの乱れ」

  • 足裏は“身体の最終ポイント”であり、上半身の問題を受けやすい

  • 偏平足でも痛くない人がいる → 「原因は単独ではない」

■ 本文

足の裏の痛みは単なる皮膚や筋肉の痛みではなく、「どこにどのように体重が乗っているか」によって大きく変化します。

例えば、股関節の可動性不足があると歩行のたびに過度な回内(内側倒れ)が起こり、結果として足底筋膜に負担が集中します。

また、最新論文では“足の裏の痛みを訴える人の多くに、足指の機能低下(特に母趾の握り込み不足)が見られる”と報告されています。

これは日常生活で足指をほとんど使わなくなった現代人に特有の問題であり、偏平足だけで説明できない痛みの背景と言えます。


2. 偏平足以外に考えられる主要な原因

■ ポイント

  • 足底筋膜炎

  • モートン病(神経障害)

  • 足根洞症候群

  • 足指の低機能

  • 下腿(ふくらはぎ)・股関節の可動性不足

  • 立ち方・歩き方のクセ

■ 本文

偏平足はあくまで“アーチの形の一つ”でしかありません。それより重要なのは「アーチが機能しているかどうか」です。アーチが機能しない原因には以下があります。

● 足底筋膜炎
アーチを支える足底筋膜が微細断裂を起こし、特に朝の第一歩で痛みが出るのが特徴。アーチが高い“ハイアーチの人”でも発症します。

● モートン病
第3–4趾間にある神経が圧迫され、ピリッとした痛みやしびれを伴います。「合わない靴」「横アーチの崩れ」が主因。

● 足根洞症候群
外側のくるぶし付近が痛む疾患で、足の内側倒れ(過回内)が強く起こる人に多い。偏平足とは異なるメカニズム。

● 足指の機能低下
足指が使えないとアーチを支えられず、足裏の特定部位が過負荷になります。特に日本人は裸足文化が減ったことで顕著。

● 下腿・股関節の可動性不足
足首が硬い人は着地時の衝撃が足裏に集中し、痛みやすくなります。

● 立ち方・歩き方のクセ
長年のクセが最も見落とされがちなポイント。外側荷重・内側荷重・かかと重心などが影響します。


3. 最新研究が示す「足のアーチ」と全身の関係

■ ポイント

  • 足アーチの乱れは腰痛・膝痛を誘発

  • 足指の筋力は姿勢制御と深い関係

  • メンタルストレスが足裏痛を悪化させる研究結果も

  • 運動習慣より「荷重習慣」が重要と判明

■ 本文

海外の最新研究では“足のアーチ機能が低下すると全身の姿勢制御が乱れる”ことが明らかになっています。

特に注目されているのが「母趾外転筋」で、この筋肉の活動低下が腰痛・膝痛と関連する可能性が指摘されています。

また近年、足裏の痛みはストレスと相関するというデータもあります。

ストレスが強いと交感神経が優位になり血流が低下 → 足底筋膜の回復が遅れ → 慢性痛へつながるという流れです。

さらに興味深い内容として、最新論文では“運動習慣がある人よりも、日常の立ち方・座り方のクセが痛みを左右する”ことが報告されています。

これは多くの人が見落としているポイントです。


4. セルフチェックでわかる問題点

■ ポイント

  • 指が地面についているか(浮指チェック)

  • 片足立ちでグラつくか

  • 足裏のどこが硬いか

  • 歩いたあと靴底のどこが減るか

  • 足の甲の高さ・足首の傾き

■ 本文

足の状態は専門家でなくてもセルフチェックが可能です。

● 浮指チェック
立ったとき、足指が床につかず浮いている場合は要注意。アーチが機能していない可能性が高い。

● 片足立ちテスト
片足立ちで5秒以上キープできない場合、足首・股関節の協調性に問題があります。

● 靴底の摩耗パターン
外側だけ減る → O脚傾向
内側が減る → 過回内傾向
中央だけが凹む → 足底筋膜の負担集中

● 足裏の硬さ
親指の付け根(母趾球)が異常に硬い人は、母趾機能低下の可能性が高い。


5. 痛みを軽減する具体的な対処法

■ ポイント

  • 足指トレーニング(特に母趾)

  • 足底筋膜リリース

  • ふくらはぎストレッチ

  • 姿勢・歩行改善

  • 正しい靴の選び方

  • 休息+荷重バランスの見直し

■ 本文

足裏の痛みは「局所ケア+全身ケア」の両軸で改善します。

● 足指トレーニング
タオルギャザーよりも“母趾だけ持ち上げる練習”が効果的と近年判明。母趾外転筋の活性化が目的。

● 足底筋膜リリース
ゴルフボールなどで足裏を転がす方法は有効。ただし、強く押しすぎると炎症が悪化するので注意。

● ふくらはぎストレッチ
足首の可動性が改善すると衝撃吸収が高まり、足裏の負担が大幅に減少。

● 正しい靴選び
・つま先が曲がりやすい
・カカトのカウンターが硬い
・足幅が合っている
が理想。

● 姿勢・歩行改善
胸を張るだけの姿勢改善は逆効果。重心をやや前方に置くことが痛み軽減には有効。


おわりに

足の裏の痛みは、決して「偏平足=原因」と単純化できません。

複数の要因が組み合わさって起こるため、原因を正確に見極めることが重要です。

今回紹介した内容は、最新研究と実際の臨床現場の知見を組み合わせたものです。

ご自身の足の状態を知り、適切なセルフケアを行うことで、多くの場合痛みは改善へ向かいます。

健康は足元から。ぜひ今日から意識を変えて、快適な歩行と生活を取り戻してください。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。


参考文献

  1. Lieberman, D. et al. “Foot Arch Function and Load Distribution in Human Locomotion,” Journal of Applied Biomechanics, 2023.

  2. Chen, Y. “Toe Flexor Strength and Postural Control in Adults,” International Journal of Sports Medicine, 2022.

  3. 日本足病学会「足底筋膜炎の成因と治療ガイドライン」
    https://www.jpaps.org/(日本足病学会公式ページ)

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