今回は、その足首のねんざ、放置すると一生の悩みについて説明していきます
理学療法士の立場から説明していきますので、是非参考にしてみて下さい!
目次
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はじめに
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足首のねんざとは?そのメカニズム
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放置すると何が起こるのか
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早期対応の重要性とリハビリ方法
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再発予防のセルフケアと生活習慣
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最新研究から見るねんざ治療の未来
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おわりに
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参考文献
はじめに
足首のねんざはスポーツ選手から日常生活を送る一般の方まで、誰にでも起こりうる最も身近な外傷の一つです。
「ただのねんざだから」と軽視され、冷やして数日で放置されるケースも少なくありません。
しかし、最新の医学研究では、足首のねんざを適切に治療せず放置すると、靭帯の不安定性や関節の変形、慢性的な痛みに発展するリスクがあることが分かっています。
本記事では、整形外科リハビリの視点と最新論文の知見を交えながら、「なぜ足首のねんざを放置してはいけないのか」「どう対応すべきか」をわかりやすく解説していきます。
1. 足首のねんざとは?そのメカニズム
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多くは「内反ねんざ」で、足首を内側にひねって靭帯を損傷
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外くるぶし周辺の「前距腓靭帯」が最も損傷しやすい
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症状は腫れ、痛み、歩行困難などが一般的
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靭帯が部分断裂・完全断裂することもあり、重症度に幅がある
2. 放置すると何が起こるのか
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靭帯が緩んだままで「足関節不安定症」に進行
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再ねんざを繰り返し、関節軟骨に負担をかける
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変形性足関節症を発症し、将来的に歩行障害につながる
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バランス能力の低下で転倒リスクも上昇
3. 早期対応の重要性とリハビリ方法
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怪我直後は「RICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)」が基本
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適切な診断で靭帯損傷の程度を評価することが重要
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炎症期を過ぎたら、早期から関節可動域訓練を開始
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筋力トレーニング(特に腓骨筋)とバランス訓練が再発防止に効果的
4. 再発予防のセルフケアと生活習慣
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足首を支える筋肉を鍛えるチューブトレーニング
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片足立ちやバランスボードでの安定性強化
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スポーツ復帰時はテーピングやサポーターで保護
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日常的に柔軟性を維持するストレッチを行う
5. 最新研究から見るねんざ治療の未来
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海外のRCT研究では「早期リハビリ介入」が長期成績を改善することが報告
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AI動作解析を用いたリハビリ評価が臨床で導入されつつある
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再発予防のために「感覚運動トレーニング」の効果が注目されている
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PRP療法(多血小板血漿注入)など再生医療の応用も進展中
おわりに
足首のねんざは「一時的なけが」ではなく、放置すると一生付き合う慢性トラブルの入り口になり得ます。
痛みが軽いからと軽視するのではなく、専門家による診断とリハビリを受けることが、未来の足の健康を守る第一歩です。
私たちができることは「ねんざを正しく治し、再発を防ぐこと」。その積み重ねが、健康的に歩き続ける力を支えてくれます。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました
参考文献
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Hertel J. Functional Anatomy, Pathomechanics, and Pathophysiology of Lateral Ankle Instability. Journal of Athletic Training. 2002;37(4):364–375.
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Doherty C, et al. Ankle sprain: pathophysiology, clinical presentation, and evidence-based management. BMJ. 2017; 356:j512. リンクはこちら
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Kaminski TW, et al. National Athletic Trainers’ Association position statement: conservative management and prevention of ankle sprains in athletes. J Athl Train. 2013;48(4):528–545